観劇記録

戦う者の歌を聴かせて

十二国記

驍宗の目は視力を回復するか?

驍宗は6年間函養山に幽閉されたことにより「光が眼に沁みる」状態になっている。これは白銀終盤にも変わらず、 驍宗は臆することなく顔を上げていた。粗末な衣類にも桎梏にも縄にも、恥じる様子はなかった。淡々とした表情で群衆を見渡す。光が沁みるのか、…

白銀~から見る『丕緒の鳥』

まず、小野不由美作品には無駄がない。つまり「なくても良い話」はない。 では十二国記が「陽子の物語」と「泰麒の物語」の二つの軸で成り立つとしたら、ほぼ民と官吏の物語である短編集『丕緒の鳥』もまた、この二つの軸に回収されうるのではないか? と思…

『白銀の墟 玄の月』の宗教的モチーフについて

『白銀の墟 玄の月』とはどういう物語か?泰麒の、李斎の、驍宗の、彼らの麾下の行きて帰りし物語。阿選の墜落物語。 阿選は偽王ではあるが、項梁が見た驕王治世末期の王と前泰麒の対立、麒麟と王の対立可能性を考えて造られた王宮の構造などの言及からして…