観劇記録

戦う者の歌を聴かせて

YSL関係のtweetまとめ

なぜか最近シアコンで視聴してる人を自界隈で観るのでまとめてみました。

YSL、ドドドド沼った人とド虚無と二極化した演目だったけれども、私は選ばれちまったほうだったので、tweetまとめておこうかなと…(Twitterいつ霧散するかわからないしね)

長いのでしまいます。あと本当にツイートの羅列だから読みにくいよ!

YSL2019/2/17マチソワ(東山イヴ、海宝イヴ両方観れた日のようです)

まず言いたいのはヤンさんが最高。シャネルかっこいい。 あと大山くん、神田さんが歌いまくるのが凄くいい。大山くんはディオールとして死後もイヴを見守り、神田さんはウォーホルが強烈。

マチソワして思ったけど、海宝イヴだと結末は苦いが東山イヴだとこれも一つのハッピーエンドになる(@上原ピエール)。
東山イヴはやっぱりニジンスキーを思い出したかな。イヴのほうがだいぶ自我が脆弱で移ろいやすい気がする

冒頭にイヴが座った状態で現れる噴水はおそらくイヴの才能の泉。水に触れるのはイヴだけ、ピエールは眺めることはできるがそれだけで、ディオールは水を覗き込んでいく。 上原ピエールがイヴを抱きしめる時、海宝イヴだと最初からずっと後頭部に手を置く。東山イヴだと精神病院から

上原ピエールは海宝イヴに対して最初から守ってやりたいと思ってそう。東山イヴには才能への尊敬が元々あって、それが庇護欲に変わるのがイヴの精神が戦争で壊れてから。

海宝イヴは内側にずっと誰にも触れさせないものがある。それはおそらく才能の泉で、絶対に守らなければならないと思っているから外界に対して臆病になる。 サンローランとして才能を認められるようになると自負ができて、庇護者としてのピエールが必要なくなる

東山イヴはむしろ逆にオープンすぎて信じやすそう。最初から最後まで、一人にしたら途端に詐欺に引っかかって身ぐるみひっぺがされそうな感じ。でも「君は好きにオペラ座のプロデュースをしたら良い、全て順調(?)」あたりでは既に愛人がいそう。オープン・リレーションシップ…

イヴは成功の階段を登り、様々なアーティストと交流する中であくまでもビジネス人であるピエールとは話題が合わなくなっていったのだろう。 一度はイヴのために一文なしになったピエールと、それを知らされていない、裕福な育ちのイヴとでは視界が違う。

上原ピエールはあくまで真っ当で、初対面のイヴの目に映ったように「太陽のよう」。
上原ピエールは熱さと勢いで1代で財を築くワンマン社長のような雰囲気

マチネの海宝イヴのときは途中から「あなたが愛しているのは自分の才能だけ」って脳内でコンスタンツェが歌い出したけど上原ピエールは最後まで海宝イヴを変わらずに愛している感じがした。 ソワレは東山イヴをかつてのような熱い恋ではないけどやはり庇護者として見守っていた

そういえばフィナーレで中塚君が出てきたとき上原ピエールは海宝イヴの脇腹つついてなんか言って、海宝イヴが笑ってなんか返してた。なんとなーく ピエール「見すぎ」 イヴ「妬いてるの?」 くらいのやり取りだった気がする。 ソワレの東山イヴだとこのやり取りなかった

ラストのシャネルの「ビジネスパートナーとしての信頼関係は永遠の愛に似ている」、これはイヴがどちらかによって響き方が全然違うと思う。精神が脆弱で上原ピエールと共依存の関係しか作れない東山イヴの物語において、この台詞は間違いなく「救い」になっている
JBで言うならWHITEが東山イヴバージョンで、BLUEが海宝イヴバージョンかな。
オギーは「凡人を踏みつけて飛翔する天才の物語」が好きなんだろうなと思うんだけど、意外にも海宝イヴは人格のある人間なんだよな。東山イヴは才能の入れ物としての機能しかない脆弱な精神しかない
海宝イヴは成功して芸術家たちとの交流が増えるとアーティストとしての自我が芽生えて、ピエールの何でもロゴをつけて売るビジネスに嫌気が差してピエールからどんどん気持ちが離れた気がする。でもオートクチュールのショーのための資金を稼ぐには一番手っ取り早いのはわかるから、どうしようもなくて酒と薬に逃避した。海宝イヴののプライド、プレタポルテは売れるけれどデザインは完全に自分の手を離れる。物によっては粗悪な縫製のものが自分の名で売られているのを市場で目にすることもあっただろう。だから嫌になって人に任せるようになった
東山イヴはピエールに対して元々オープンで、ピエールは自分のことをわかってくれると信じ切ってるように見えた。事業が拡大しイヴとピエールがそれぞれの仕事に熱中するようになるとイヴはピエールの庇護から離れる。そこに付け入って酒とドラッグや如何わしい連中と関係ができた
ってしまえば東山イヴはピエールなくしては危うい脆弱な精神の持ち主で、才能があるぶんだけ却って付け込まれやすい、「そういう子」だった。
海宝イヴはビジネスとクチュリエとしてのプライドの懊悩の中で、酒やドラッグに引き込まれてしまった。
海宝イヴがピエールと決裂する瞬間は「もうとっくに終わっていたものの決定打」だけれども、東山イヴがピエールと決裂する瞬間は「互いにまだ必要としているけれど一緒にはいられない」感じがする
東山イヴを一言で表すなら「脆弱」、海宝イヴを一言で表すなら「潔癖」
ピエールの歌う歌詞にある「互いの過ち」、これは海宝イヴのときは「ピエールがイヴの潔癖さに気付けず一方的に守ろうとだけしてきたこと」、東山イヴのときは「ピエールが一瞬でもイヴの手を放してしまったこと」のような気がする
私はラストの上原ピエールの東山イヴへの視線は見守りに変わっていて、海宝イヴへの視線はまだ恋の熱があると思ったんだけど、これと2幕で噴水(才能の泉?)が枯れることを合わせると東山イヴ凄く可哀想な気がする。イヴの「僕の書くものがなくなったら誰が僕を愛してくれる?」
これ東山イヴのときのピエールの見守り視線が脚本の本来意図したところで、海宝イヴのときにピエールの熱が残ってるように見えるのってリオウエハラ前世の記憶に引きずられてるのでは…?!って昨日思った。2年間カフェソングで(そんなに苦しまなくていいんだよ)って思ってたのだし
2幕のイヴの浮気バレのシーン、海宝イヴのほうがリアリティあるしんどさがあるなと思っていたんだけど、海宝イヴは悪いことの自覚あるんだよね。
東山イヴは自覚があんまりない、ちょっと失敗しちゃった、くらいの感覚。東山イヴは脆弱と言ったけど元より気持ちいいことに流れる性質なんだと思う。だから東山イヴの浮気バレは彼の「悪性」を受け入れるか/受け入れないかの話になる。
一方海宝イヴは人並みの倫理感はあるので「行為」を許すか/許せないかの話になる。許されたいかどうかはともかく。
脚本としてピエールは「受け入れる」「許す」という選択肢を取ったのだと思う。
東山イヴにとってはそれは救いであったろうけれども、海宝イヴは許されたくなかったんじゃないかなぁと思うんだよね
ピエールに「受け入れる」「許す」とされればイヴはピエールから離れる理由をなくす。現実的な、経済的な問題としてイヴはピエールから離れていくことはできなかったろうけれど、海宝イヴは多分ピエールのビジネスのやり方自体に納得してないからそれは一種の「ほだし」だ
でもイヴの「僕の書くものがなくなったら誰が僕を愛してくれる?(このままの僕を愛してほしい)」はピエールによって叶えられてる気がするんだよなあ。
東山イヴはピエールがいることで飛べる、海宝イヴはピエールがいることで地上に縛り付けられるの違いはあるが
特に東山イヴは彼と彼自身の才能が不可分。というか才能なくしては立っていられないくらいに脆弱。
海宝イヴは潔癖であるがゆえに臆病で、ずるい

 

YSL2/20ソワレ(東山大山初日)

大山ピエールは最初から影から支えるとかプロデューサー的気質が強め。イヴと同じものは見れない、けれどイヴが喜ぶならそうする。強く自分の意見を持たないからこそ、影に日向にイヴを守るというスタンスかな。イヴの喜びが彼の喜び。
イヴが何を望み、何を願っているか大山ピエールはよく見ているね。クチュリエとしてのプライドを持つイヴに「プレタポルテだ」と告げたあとつらそうな顔をする大山ピエール。
浮気の兆候も感じていて、現場を見たときは「やっぱりか」という顔。
1ラスの手の繋ぎ方、大山ピエールだとイヴに手のひらを差し出して、イヴがそこに手を乗せる、一般的なリードをする繋ぎ方ね?作中二回手繋ぎあるけど上原ピエールだと、二回とも手のひらを下に向けてイヴがそこに手を持ってくるまで待つ…という繋ぎ方だった気がする
局後の「君に人生を託しすぎた(?)」だかの歌のときの大山ピエール、すごく哀愁があってよかった。大山ピエールには端からそうする以外の選択肢がなかったんだけど、だからこその哀愁
川原ディオールは皮肉っぽくて外連味がある。イヴが順風満帆のときにちらりと言う台詞が皮肉っぽい。同じセリフは大山ディオールのときは忠告として聞こえていたようなところが、皮肉になってる。面白い
この話の構造自体はピエールの回想劇なんだけど思うけど、ルルちゃんの意味。ル・ルゥとイヴが話すところで「つまり、あなた自身」「作品から作者自身は推し量れない」というやりとりをしているから、ピエールにとってのイヴの分身でもあるのかなぁ

 

++

YSL、脚本の目指すところは東山大山のような気がするんだけど、理生さんもっと長くやってれば海宝上原でとんでもないメタモルフォーゼがあった可能性あるとすごく思ってるからただただ惜しい。
フランケンのときのあきかずで最初に何かの新生物が爆誕したときのあの感じ、もう一度体験したかった

YSL、シャネル、スキャパレッリ、ディオールの3人のナンバーが滅茶苦茶好き。あれはさ、どや、ミュージカルだろ!って言われてるよね笑
あそこだけしっかり拍手する間があるもんね

YSLのイヴとピエールもあれはもはや恋愛ではないよね。愛もあるけど同情も依存も執着も保護も、あるいは被虐も嗜虐もありそうな。そこにエモさがある…

YSL、海宝上原地獄だったけどどっちかが怒ったら地獄回避した気がするんだよな。イヴがライセンスビジネスやめろって怒るか、ピエールがバレのときに怒るか、イヴがなんで怒らないんだよって逆ギレするかしたら普通に殴り合いの喧嘩になって爽やかに終わったと思う

 

上原ピエールはあくまで真っ当で、初対面のイヴの目に映ったように「太陽のよう」。 上原ピエールは熱さと勢いで1代で財を築くワンマン社長のような雰囲気
 
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上原ピエールはあくまで真っ当で、初対面のイヴの目に映ったように「太陽のよう」。 上原ピエールは熱さと勢いで1代で財を築くワンマン社長のような雰囲