観劇記録

戦う者の歌を聴かせて

Les Misérables 2021/6/13M

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(キャスボ撮れてなくてフォロワーさんにご提供いただきました。yuukoさん感謝…!)

シュガバルと増原司教

燭台渡すところ、おうちの事情でグレて万引した高校生に諭す生活指導の先生みたいな構図だった。
「お前が本当はそんな奴じゃないって、先生はわかってるんだぞ」ってやつね。
シュガバルは牢獄以上に、仮出獄の間の世間からの扱いでたわめられてしまっていて、そこでなけなしの自己肯定感が失われている。
「闇からあなたを主は救いたもう」増原司教はそんなシュガバルを信じているのだ、と語り掛けるように、シュガバルを覗きこみながら歌っていた。
信じているんだ、と何より明瞭に示されたシュガバルは戸惑いながら、信じられたことに応えるために生まれ変わる。

リオジャベ

実は今期初リオジャベだったんだけど変わったね。静のジャベールになった。歌詞に忠実で、星に対する感情は共感。
シュガバルのことはそんなに疑ってるようには見えなかったかな。かといって信頼もしてない。フラット。
部下に対しても一線引いてるというか、基本的に他人を寄せ付けない人じゃないかな。19年は結構部下に指示出してた記憶がある。
一つ自分の中に芯になる「正義」「規範」と同時に、このような人間はこのように考えて行動するというような「人間見本」があり、そこから外れたものを認識できない。「人間見本」の中から選んだラベルを目の前の人物に貼る。認知の歪みに近い?
バルジャンの「若者を生かす」という行動は確かにリオジャベの規範においても正しいと認識される。「人間見本」に当てはまらない行動に茫然として、その「人間見本」の周囲を規則正しく巡る星としての己の軌道がわからなくなる。軌道を逸れて燃えて落ちる。
自殺、無明の闇にリオジャベがいるのではなく、認知の外の無明の闇から突然現れた「善」に動揺してる印象。
りおさんかなりジャベールを自分のものとして生きれているんじゃないだろうか。リオンジョの延長線上のリオジャベを感じたし、相変わらずノールックで砦登り降りするの笑っちゃった。
あと対決ラストでシュガバルに殴られたときの倒れ方、腰から落ちてて脳震盪起こしてるやつ。砦から逃がされるとき口から血を流してるのは継続。
トリコロールサッシュもうまく巻けるし自殺の拳銃も落とさなくなったし、お芝居を受け取って打ち返す、のも分かりやすくなった気がする。

内藤マリウス

カフェソングと最後の椅子に座るバルジャンに前の人の頭どんかぶりしたんだけど、カフェソング声だけでもすごい寂寥感が伝わったし、最後ずっと内藤マリウス見てていろはコゼットが崩れ落ちたときに支えるだけじゃなくてマリウスも縋っている感じの背中で。
シュガバル内藤マリウスは何かを手渡す組み合わせだなと思った。手渡す、繋げる、繋がっていく。愛の連鎖。
内藤マリウスは民衆リプライズが聞こえてる気がするんだけど、これは内藤マリウスが「生かされている」認識をしてるように見えるからなんだと思う。
フィナーレ、内藤マリウスは明白に客席の、2021年の私達を見てると思った。あのとき、舞台奥から主の国(死んだ人々)・マリコゼ(現在)・客席(未来)と移り変わっていく構造だけど、内藤マリウスは仲間たちやバルジャンから受け取ったものを、2021年の私達に渡してくれる。

覚書

アンジョ「日ごと塗り替えられていく」
もちフェ「俺たちが塗り替えるんだ」
(この前に「自由のためだ」(自由になるためだ?)って下手から聞こえて、前の人の頭で全然見えなかったから誰…?大津さん…??と思ってたら藤岡レーグルだと教えてもらった…!)

介入のあと田川モンパがかくれてるの大津クスーが探しに来て、あれ?いない?ってなってる大津クスーに田川モンパがちょいちょいって突いてキャッキャ笑いながらはけていくの可愛い

そいえばファクガとめる人でファンテに同情してる人いるよね的な感想読んで、あそこコンブクルフェだったような?って思ったらそうだった。もっちーさんがファンテ庇おうと出てったの古川さんが止めてたね

古川医者、しいな鳩ちゃんとお話ししててドンッッ引きされてたけどなに話してたんだろう。(藤岡酔っ払いに帽子にゲロ吐かれたのを鳩ちゃんに話してたんじゃない?ってフォロワー情報が)
あとテナイン終わり間際で小銭ないの気付いてジャケットぱたぱたしてたの可愛い。そこにはないよ。

エポ死で「死を無駄にしないぞ」のところでもちフェが左手で拳作って胸に持っていってた