観劇記録

戦う者の歌を聴かせて

Les Misérables 2021/7/4S

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和音ファンテ三浦マリウス敷村コゼットが今期初かな?
三浦マリウス19年より良くなってる!敷村さん前に見たのがおでかけ姫だったから「人間になった…!」となってしまった。

福井バルジャン

今年すごい印象に残って好きなの、裁きの「身代わりいれば救いの神」でシルクハットを持って身代わりを表現するところと、「俺は誰なのか」でバルジャンの代わりに裁判にかけられている工場長バイト(シャンマチウー)の顔を撫でるところ。特に二番目、19年からそれまでとガラッと変わったバルジャン像を出してきたけど、今年はすごくそれがマッチしてるなと思ってる。
取引のところ
「あとは」→脅し
「言うな1500払おう」→呆れ
「さあコゼット行こう」→優しい
「ありがとう」→脅し
「この子をすぐに忘れるだろう」→吐き捨てる
で、やっぱり福井さんうまいな〜と思ってた。
ちょっと喉が疲れてるかしらーと思ったけど、そのぶん慎重に音を置きに来てた気がする。BHHすごい大切に歌ってた感じがしてよかった。
それと、目覚めて落ちた砦を見るとき。砦の死体の山を見上げて驚いて声をあげていた。学生たちを悼むというよりも、剥き出しの「死」に怯えている感じ。
この日は今期の中では暗めの印象だったし、胃が痛そうというかプリュメ街でコゼットにガシャーンってシャッター降りるの久々に見たなと思ってたけど、殻が厚い人だったから、「頼むよ」のあと三浦マリウスにさっと手を払いのけられて、マリウスが去ったあと空の手のまま弱く苦く笑うのが痛ましかった。「お前にやろう」の前だったら、絶対にマリウスの振る舞いに傷つけられる人ではないと思う、殻が厚いから。
嘘だらけの人生でコゼットにもシャッターおろして、でもそうシャッターおろすのは後ろめたいからで、嘘の自分でコゼットの愛情を獲得しているという罪悪感があるからで。
だから「私は父じゃない」が人生最大の嘘の告白だったんだけど、そこでパパと呼ばれることで嘘だらけの中で育った愛が真実と知るんだな、と思ってた。
この回で改めて思ったけど、今年の福井バルジャンは「年齢経過」と「老い」の表現がすごい。「老い」とは、とりもなおさず死に近づいていくということでもあるから、砦で死体の山(=剥き出しの「死」)を見上げて声をあげているのにも繋がりそう。

川口ジャベール

川口ジャベールもこの日は19年の大楽のときの強固さと以前までの繊細さがミックスされていて。波止場で伸ばされたファンテの手を足で退けるの久しぶりに見た。物凄く強固で確かな、透明な結晶の中にいたのに2幕バルジャンに逃されてから崩れていく、ある種のダイナミックさがある。
「待つぞさあ」のあとで振り返って去っていった福井バルジャンを手を伸ばして追ってたんだけど、なんか、バルジャン如何にせよ今期の川口ジャベールは自殺に向かう気がしてる

敷村コゼット

恋をして、傷ついたマリウスを支えることで成長するコゼットだと思う。
プリュメ街時点では高校生!絶賛反抗期!
この回、プリュメ街で福井バルがコゼットにガシャーンって完全にシャッター降ろして閉ざすの久しぶりに見たな、と思ったけど、たぶんコゼットの父からの自立度合いに関係していて、精神的にまだ父親が必要そうなコゼットだとシャッター降ろして閉ざしがちなんじゃないかな。
プリュメ街時点で、敷村コゼには精神的にまだ父親が必要。だからコゼットには絶対に話せない。(ここらへん、福井さんお父さんなんだな~と思ってて、バルジャンがそこで過去のことを話しちゃったら娘にメンタルケアを押し付けることになってしまう)
だからこそ、エピローグで福井バルジャンが「私は父じゃない」と明かすのはコゼットの成長を認めたからでもある。
コゼットの成長とバルジャンの老いが強調されるため、福井バルジャン敷村コゼは相性のいい組み合わせなのでは?

相葉アンジョ

ABCカフェ
川島グラン「(酒瓶を置いて階段のマリウスへ)レッド♪」
川島グラン「(アンジョを振り返って)ブラック♪」
相葉アンジョ(誰がブラックやねんの顔)
って感じで面白かった。
「彼の死に燃える炎」のときか?相葉アンジョが舞台際まで来て、狂気の青い炎が見えるようで、やっぱりここで狂ってるアンジョが好きだなって思った(一番好きなアンジョがラミンアンジョだから…)
杉浦フイイの民衆プチソロのとき、それを見上げる相葉アンジョの背中が嬉しそうで誇らしそうで泣けてしまう。ここで泣くのはリオンジョ以来だなぁ。
ODM「自由のために」でマスケット銃を見つめる相葉アンジョの覚悟なり決意なり滲む顔が好きで、今年の相葉アンジョは自由のために武力が必要なことも血が流れる覚悟もあって決起するアンジョなんだよなぁって思ってる。相葉アンジョ「夜はすぐ更ける」のあとで(ジャベを渡したことに)怒ってる今井クルフェの腕叩いて「はよ持ち場に戻れ」ってやってるのは相変わらずで笑った。そういうとこある。人の命の重さは背負うし、ジョリがえづいてるときに励ましてあげたりして、弱い子にはケアするけど、できる人はわりと放置するアンジョ…たぶん釣った魚に餌やらないタイプ。
相葉アンジョって17年からずっと「来るもの拒まず去るもの追わず」の人だけど、クルフェにぽんぽん指示投げてそれでクルフェが怒っていなくなっても追わない人だと思うの。いや、いなくならないって分かってるからやってる傲慢さもあるけど。
「子供あるものと女たちは去りなさい」で砦から去ることを許容して、つまり残った人は砦とともに死ぬんだってわかってるんでしょ?みたいなとこある。
一緒に死ぬって決意したんだから四の五の言わずに着いてこい!っていう意味での「死のう」に見えて、あんな顔ちゅるーんとしてるのにすんごーーーく野郎!だなって思う笑
例えば決起前に仲間が抜けたいって言ったとして説得しないで、わかったっていうタイプな気がする…納得できる人だけついてきてくれればいい、っていう。ついてきた人に対しては彼なりに大事にはする(ただし仕事はぶん投げる)。相葉アンジョのアベセはたぶんクルフェコンブフイイの仕事量はんぱない。
ガブ死で相葉アンジョも座るんだけど「砦のものよ」ですっくと立って、砦のあっち側の兵士たちの居並ぶ風景を見て、また砦の中の仲間たちを見る。「市民は来ない」のときにもう負けるってわかってたから、負けると実感することそれ自体のダメージはないんだよね。でもただで負けてやるか、みたいな…やはり負けん気が強い。

川島グランテール

相葉アンジョ川島グランのABCカフェ始まりのとき、川島グランに対して「その特等席代われ」って思うのなんなんだ。羨ましいぞそこでアンジョ見れるの…
このときの川島グランテール、推しの顔に見惚れて話聞いてないおたくの顔してる。絶対に顔から入ったおたくだと思う。
顔から入って接触イベント(ミュザン行ったらアンジョしかいなかったとか)で話してキャラ好きになったタイプだと思う。

覚書

・ABCカフェで今井クルフェが「マリウスおまえいい加減にしろよ」って怒ってるの、三浦マリウスは明らかにお世話係が必要なタイプなのですごいわかる

砦の話

恵みの雨のあとグランテールがアンジョを責めるように見たとき、相葉アンジョは川島グランの言いたいことわかってて、川島グランは分かられてることを分かってる。
DwMで杉浦フイイが歌い出したとき砦の上のほうで相葉アンジョと古川コンブが談笑してた。川島グランのとこで降りてきた相葉アンジョはなんか、わかってるだろどうしたんだって感じで。川島グランはアンジョはここで引くことはしないってわかってるし、わかってるんだけど言わずにいられなかった感じ。
BHHのあと「市民は来ない僕らは見捨てられたのだ」で古川コンブは立って、今井クルフェは座ったまま項垂れてた。川島グランはこうなることわかってた顔してて、でも「子供あるものと女達は去りなさい」で酒瓶掲げてアンジョに応じていて、ガブを逃して自分は砦で死ぬって決めてた。このときの川島グランを相葉アンジョ見てたのかなあ。グランテールがどうしたいかわかってた気がするし、それを肯定してた気がする。だから最期「行こう」って一緒に連れてく。
グランテールがアンジョに殉死することを肯定するアンジョルラス。相葉アンジョは川島グランに引き起こされたあと、行こうってグランテール連れて砦に走っていく。原作の死に方をミュージカルでやってる?
強火アンジョのおたくとしては、今日のグランテールは明らかにファン冥利に尽きる感じなので本当に代わってほしいし、今日の相葉アンジョ、光輝く死の天使として完璧だったのでこのまま発光しててほしい。黄泉路を照らす光だよ……………




Les Misérables 2021/6/27S

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シュガバル

この日は一幕声きつそうだったけど芝居良かったし、二幕持ち直して凄かった。(オペラはそもそもこんな長期公演組まないので、発声のベースがそもそもそっちよりだと喉の調整大変だよねえ)
コゼットの「ねえパパ」でコゼットに手を取られたときビクッと震えてた。
シュガバルのBHHは無私で赤心だとずっと思ってて、そういえばCHESSで来日したラミンさんが「シュガーさんはそのままでバルジャンになれる」みたいなこと言ってて(うろ覚え)これなんだろうなと思いながら観てた。
シュガバルは自分の手の届く範囲で、できる限りのものを救いたい人なんだと思ってる。
BHHはバル&マリとグラン&ガブが構図として重なるように作ってあるじゃない?川島グランテールも攻撃のときに近くにいた女の人たち守ろうとしてて、手の届く範囲でできる限りのものを救いたいんだと思った。
シュガバル、小松ガブが撃たれたの見て砦に手をついて項垂れて、その後の木内アンジョの「死のう」のあともアンジョを止めようと手を伸ばしていて。
今日のシュガバルは目覚めて落ちた砦を見上げて「ああ…」と声をあげていた。
(余談だけど2017年のヤンジュンモバルジャンと相葉アンジョのとき、「死のう」のあとでバルジャンがアンジョの腕掴んで止めようとしてて、それをアンジョが振り払ってたときがあって、それを思い出した)

内藤マリウス

介入でさっきまで叱られてた深堀治安官に向かって「(テナ達指さして)この人たちどうなるの」って聞いてる内藤マリが完全にちいかわだったし、ええ…俺に聞く?って顔してる深堀治安官がヨロイさんに見えた。可愛かった(ちいかわ…)

木内アンジョ

ABCカフェ、川島グランテールに酒瓶返さなかった。
フェンシングからのやべっ…って顔してる深堀レーグルから酒瓶取って川島グランに返すかと見せかけてグランテールの手からふいって持ち上げてそのまま杉浦フイイに投げた。(上手戻ってきたグランテールにフイイが返す)
ガブローシュの「黙れ」のあと、ガブローシュにどうぞと手を差し出して話すよう促すのがガブローシュもまた仲間として扱ってるようで良い。全体的にガブローシュにも一つの役割を投げるアンジョだと思う。
ラマ死はやっぱり正気に見えて、正気のまま決起に突入していく。
前に丹宗グランテールで観たとき、恵みの雨でグランテールに責めるように見られて後ずさって見えたときがあったけど、この日の川島グランテールだとそうでもなくて、でもなんとなく、グランテールの視線を避けたいように見えたかな。
「立つのだ仲間よ世界に自由を」のとき今井クルフェの持ってた赤旗をアンジョが掴んで放った。
カフェソングのときの木内アンジョって本人なんですかね、幻覚なんですかね。(これたぶんアンジョによって違って、明白にアンジョの霊体だったのがリオンジョでマリウスの幻覚だったのが上山アンジョだった気がします。)
木内フランキー、今年のフランキーの中ではまともに仕事してるほうだと思ってたけど、鎌田客の顔面を指差して「さすな💢」って手を掴んで避けられてたし、テーブルの上の料理を皿ごと自分の口元に持ってきてザザーッと自分の口の中に流しこもうとするし、さらには燭台も蝋燭のほうから口の中にいれようとしてて「なんでお屋敷に採用されたの?」枠にめでたく進化

川島グランテール

ABCカフェ、グランテールが「レッド」で酒瓶床に置くの今年初めて見たかも〜。
シュガバルのところで砦の話結構しちゃったけど、この日の砦のグランテールすっごい好きだった。
どこだったかな、攻撃のときに上手の停留所に戻りながら女の人たちを伏せさせてるときがあって、自分の手の届く範囲にあるものを救いたい人なんだって思った。
そういう人が、DwMで柴原モンパルナス学生の傷を思いっきり握るの。止めに入った杉浦フイイもすごくびっくりした顔してグランテールのこと見てた。握られた柴原学生も当然すごく痛くて、でも痛いってことは生きてるっことで…グランテールが伝えたいのはそれなんじゃないかなって思ってた。死ぬって、痛みもなくなるってことだから。
この日初めて見たのが、小松ガブがやめろよってグランテールの背中つついて「やめろ、やめろって」って言ってた(口の動き見てた)。このときのグランテールの心情を思うとしんどくて。
小松ガブのこの動きで、姉を目の前で亡くしてつらいはずのガブローシュが自分の感情よりも「みんな」を優先してしまってて、それもまたグランテールには不憫に思えてしんどいだろうと。小松ガブさん凄すぎ。
木内アンジョはグランテールの言いたいこと本当にはわかってなくて、川島グランテールはわかってもらえないことをわかっていて、結局二人とも傷つく。
グランテールが上手の停留所に行ったあと、小松ガブが木内アンジョの手を引いて、木内アンジョはグランテールについててやれって促して、小松ガブがグランテールのほうに向かって。
アンジョはガブローシュをいっぱしに扱って、グランテールは子供らしくいられないガブローシュを不憫に思って…みたいな構図だなと思ってた。

覚書

深堀治安官はテナの「帰っていいね」のときも「いいわけねえだろ…………」と呆れ全開の顔をしていて面白いのであった

古川医者、今日は菊池鳩ちゃんと仲良くお話してて良かったね!ってなる
しいな鳩ちゃんにドンッ引きされてたのも面白かったけど


Les Misérables 2021/6/16M

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増原さんのお名前切れちゃった…

福井バルジャン

最近シュガー続いたから久しぶり。
福井バルって基本的に外殻が非常に厚い男で、その外殻が完全になくなるのが燭台を渡されるとき、外殻が一瞬薄くなるのがコゼットに「話してよ過去の真実すべて」と言われたとき、というイメージがある。
増原司教はこの日も「闇からあなたを主は救いたもう」と語り掛けるように言っていて、福井バルは言っていることはわかるが受け入れたくない、という顔をしていた。
わかっている、でも受け入れたくない、なぜなら、受け入れてしまうとこれまでと同じ自分ではいられなくなるから。それを無意識的に理解していて、だから燭台を返そうとする。それまでの自分を守ろうとする。
死んで生まれ変わることの痛みだよね。
波止場、「私がした」のところ。
この日、めぐファンテだったんだけど、ファンテがその他の労働者の女たちと同じではなくて、何かしら特徴があるタイプだったんだろうなと思った。ファンテを個別認識してる気がする。
めぐファンテは賢くて、職場のローカルルールの矛盾を指摘して改善提案を出すタイプだと思ったから、市長はそれ聞いてルールきちんと作ったことがある。そういう意味で市長とファンテの間に信頼関係がある。
対テナ。自分も同じ洞穴から出てきたからこそ「この手合いか…」みたいなげんなり顔をしてる気がする。
印象的だったのはエピローグで「私は父じゃない」のとき、どうみても顔も声も(お前は私の娘だ)って言ってる。死別は確定的で、だからこそコゼットを安心させるために(ここで別れるけれどお前はずっと私の娘だよ)そういう仕草をしてる。
たしかにコゼットからすれば、死に際に「私は父じゃない」は突き放されてるように感じるかもしれなくて、だからコゼットを安心させるようなこの言い方好きだったな。

濱田ファンテ

「賢くて正しいんだけど空気が読めない女」なんだと感じた。
「何一つ秘密ないとあんたたちは神に誓える?」のところも冷静で、賢いの。生まれる場所や時代が違えばバリキャリやってた感じ。
そしてその手の賢くて正しい女が嫌われる職場、という…
ファンテはそれぞれに地獄があって、そこで働く女たちも明日ファンテの立場になるかもしれないのが二宮ファンテで、特別な女(賢い女、美しい女)がめぐファンテ、知念ファンテというイメージ。
夢やぶれても「夢は帰らない」が完全に正気。賢いので自分の現状を完璧に理解している。つらい。

生田エポ

たぶんABCくらいは読めるので「私も読めるわ」って言ってるんだけどマリウスの本開いた瞬間思ったより難しい単語並んでて「は?(読めない)」って顔してた。
印象的なのはプリュメ街でりりかコゼットに助け起こされるところで、顔を隠す、俯くどころの話じゃなく「弾かれるように」後退ってコゼットを避けてて、ここまで露骨な反応するエポは珍しいと思ったし、ほんとエポコゼ反転してもおかしくないからこそしんどいな…と思った。
エポニーヌがバルジャンに手紙渡して恵みの雨なのは、あそこで「コゼットの父親」が優しく紳士的で、テナルディエや自分の置かれた状況との対比がしんどくなっての…って話だと思ってるから、エポコゼ反転してもおかしくないのはほんときついんだなあ

谷口マダムテナ

うっすら寂しそうで、現状を肯定しきれないマダムなんだよね。こうなりたくてなったわけじゃない感じ。
だから、エポニーヌがもし砦で死ななかったら、こうして現状への不満を抱えつつも生きるために犯罪をしなければいけない、このマダムみたいになったのではないかと思えてしんどい。
テナインでマダムがパンを切るところ、左手のナイフでパンを固定するけどあれ一度外れちゃって怖かった…

竹内マリウス

この日は柴原モンパとりりかコゼットの間に入るところでもそんなに「よわい」って感じしなかった。
木内アンジョとの並びがやっぱりよくて、同期〜!ってなるし、シュッとして精悍な印象のアンジョとキラキラかっこいいマリウスなのでなんとなく上山海宝の並びのよさを思い出した。
恵みの雨のあとでエポニーヌのコートをかき集めているのを見て、体を隠してあげている…と思った。あとこの回ではなかったかもしれないけど、エポニーヌの眠りが少しでも安らかであるように、抱きしめながら揺れてたときがあった気がする。
バルジャンの告白、「会えば別れがつらい、このまま行こう」のところで、はぁ?の顔してて、対シュガバルだとあんまり見なかったやつだと思った。で、バルジャンの左手がマリウスの右肩から二の腕のあたりにあるじゃない?このときの竹内マリウスは福井バル見つめたまま、自分の左手でさっとバルジャンの手を取り払ってた。(振り払うまではいかない)
対シュガバルよりは塩っ気が薄め(だが塩ではある)

木内アンジョ

なんかもうびっっくりした…。人当たりのいいアンジョというか、きちんと周りの学生の反応を拾うアンジョで、いわゆるカリスマ!って感じの役作りではないなと思ってたから、最期びっくりして、でも唐突な感じはしなくて、それは多分ちゃんとそこに至るまでの芝居を積んでるからなんだけど、とにかくびっくりした、し、刺さった…
恵みの雨のあと、下手に運ばれていくエポニーヌの遺体を見送ったアンジョルラスとグランテールの視線が交わるじゃない?あのとき、丹宗グランテールはガブを抱きしめながら木内アンジョに、責めるまではいかないけど問いかけるような目をしていて。
少女が死んで、子供が泣いてる。これがお前の目指したものなのか?
それに対して木内アンジョは気圧されるように、一瞬後退りしていて、このアンジョルラスは理論では死者が出ることはわかっていたけど、ここでようやく現実的に死というものに直面しているんだと思った。
で、最期。
木内アンジョはガブ死でショックを受けて座って、からのアーミーオフィサーの声、絶望に叫ぶ砦の中、自分を奮い立たせるように体を殴りながら、すっくと立ち上がって、深呼吸して、クルフェたちを振り返りながらの「死のう」は平静かと思ったら不敵に笑ってた。
ガブ死で頭飛んでるんだと思ったし、「命を高く売り付けてやろう」だとも思ったけど、とにかくびっくりした…

覚書

最近もちフェ続いてたので冒頭でバルジャン蹴り飛ばした今井看守がにやっと笑ったの見てきたきたきたー!とテンションあがった。
ここ持木看守はバルジャンのこと見下してるけどビジネスライクなのに比べて、今井看守は日常から囚人を虐待していそうで、バルジャンが牢獄で過ごした19年、人間として扱われてこなかった19年に思いを馳せる。

丹宗グランテールのフェンシングに応戦する深堀レーグル、割って入る木内アンジョ。グランテールがあんまり反省ないのに比べ深堀レーグルの「やべっ…」感よ。
深堀レーグルといえば、恵みの雨でぺっそぺそになってる竹内マリウスの後頭部に慰めるように手をやって、優しく「マリウス」と促してエポニーヌから手を離させる姿も印象的。深堀レーグルの周りいつも3度くらい温度高い。
今井クルフェが5度くらい高いタイプだからこの日の砦の上手…気温高そう…って思った



Les Misérables 2021/6/13M

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(キャスボ撮れてなくてフォロワーさんにご提供いただきました。yuukoさん感謝…!)

シュガバルと増原司教

燭台渡すところ、おうちの事情でグレて万引した高校生に諭す生活指導の先生みたいな構図だった。
「お前が本当はそんな奴じゃないって、先生はわかってるんだぞ」ってやつね。
シュガバルは牢獄以上に、仮出獄の間の世間からの扱いでたわめられてしまっていて、そこでなけなしの自己肯定感が失われている。
「闇からあなたを主は救いたもう」増原司教はそんなシュガバルを信じているのだ、と語り掛けるように、シュガバルを覗きこみながら歌っていた。
信じているんだ、と何より明瞭に示されたシュガバルは戸惑いながら、信じられたことに応えるために生まれ変わる。

リオジャベ

実は今期初リオジャベだったんだけど変わったね。静のジャベールになった。歌詞に忠実で、星に対する感情は共感。
シュガバルのことはそんなに疑ってるようには見えなかったかな。かといって信頼もしてない。フラット。
部下に対しても一線引いてるというか、基本的に他人を寄せ付けない人じゃないかな。19年は結構部下に指示出してた記憶がある。
一つ自分の中に芯になる「正義」「規範」と同時に、このような人間はこのように考えて行動するというような「人間見本」があり、そこから外れたものを認識できない。「人間見本」の中から選んだラベルを目の前の人物に貼る。認知の歪みに近い?
バルジャンの「若者を生かす」という行動は確かにリオジャベの規範においても正しいと認識される。「人間見本」に当てはまらない行動に茫然として、その「人間見本」の周囲を規則正しく巡る星としての己の軌道がわからなくなる。軌道を逸れて燃えて落ちる。
自殺、無明の闇にリオジャベがいるのではなく、認知の外の無明の闇から突然現れた「善」に動揺してる印象。
りおさんかなりジャベールを自分のものとして生きれているんじゃないだろうか。リオンジョの延長線上のリオジャベを感じたし、相変わらずノールックで砦登り降りするの笑っちゃった。
あと対決ラストでシュガバルに殴られたときの倒れ方、腰から落ちてて脳震盪起こしてるやつ。砦から逃がされるとき口から血を流してるのは継続。
トリコロールサッシュもうまく巻けるし自殺の拳銃も落とさなくなったし、お芝居を受け取って打ち返す、のも分かりやすくなった気がする。

内藤マリウス

カフェソングと最後の椅子に座るバルジャンに前の人の頭どんかぶりしたんだけど、カフェソング声だけでもすごい寂寥感が伝わったし、最後ずっと内藤マリウス見てていろはコゼットが崩れ落ちたときに支えるだけじゃなくてマリウスも縋っている感じの背中で。
シュガバル内藤マリウスは何かを手渡す組み合わせだなと思った。手渡す、繋げる、繋がっていく。愛の連鎖。
内藤マリウスは民衆リプライズが聞こえてる気がするんだけど、これは内藤マリウスが「生かされている」認識をしてるように見えるからなんだと思う。
フィナーレ、内藤マリウスは明白に客席の、2021年の私達を見てると思った。あのとき、舞台奥から主の国(死んだ人々)・マリコゼ(現在)・客席(未来)と移り変わっていく構造だけど、内藤マリウスは仲間たちやバルジャンから受け取ったものを、2021年の私達に渡してくれる。

覚書

アンジョ「日ごと塗り替えられていく」
もちフェ「俺たちが塗り替えるんだ」
(この前に「自由のためだ」(自由になるためだ?)って下手から聞こえて、前の人の頭で全然見えなかったから誰…?大津さん…??と思ってたら藤岡レーグルだと教えてもらった…!)

介入のあと田川モンパがかくれてるの大津クスーが探しに来て、あれ?いない?ってなってる大津クスーに田川モンパがちょいちょいって突いてキャッキャ笑いながらはけていくの可愛い

そいえばファクガとめる人でファンテに同情してる人いるよね的な感想読んで、あそこコンブクルフェだったような?って思ったらそうだった。もっちーさんがファンテ庇おうと出てったの古川さんが止めてたね

古川医者、しいな鳩ちゃんとお話ししててドンッッ引きされてたけどなに話してたんだろう。(藤岡酔っ払いに帽子にゲロ吐かれたのを鳩ちゃんに話してたんじゃない?ってフォロワー情報が)
あとテナイン終わり間際で小銭ないの気付いてジャケットぱたぱたしてたの可愛い。そこにはないよ。

エポ死で「死を無駄にしないぞ」のところでもちフェが左手で拳作って胸に持っていってた

Les Misérables 2021/6/5M

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Happy Barricade Day 2021

二宮ファンテ

ファンテ、工場のところで、エプロン自分でほどいたあと、ファクトリーガールに奪われるじゃない?二宮ファンテはここでエプロン返してってファクガに追い縋ってて、二度とエプロンが自分の手に渡らない予感=追い出される予感を彼女は感じてる…って思う。
二宮ファンテは、「この淫売が出てけ」の前に「市長!市長!!」って呼ぶからすごくバルジャンの責任が大きくなる気がする。
てか他の工場の女の子たちと良い意味で何も違わなくて、だから誰もがファンテになりうる→その彼女を苦しめた責任がバルジャンにかかってくる、みたいな。
とくにシュガバルはその責任をすっごく背負う人だからさ。
「見てよ遊んでるわ」で二宮ファンテかなりコゼットの幻覚見てる度が高い。バルジャンの言葉で現実に帰ってきてる。

佐藤バルジャン

シュガバル19年のとき「神が遣わした人」のときしんどそうだったけど今年逃げないよね。
ファンテが死んだあとすごくその死を背負うような、苦しい顔してた。
シュガバルの日によって違うなあって思うのが落ちた砦に対する態度で、この日は砦見上げて「ああ…」って言ってた。(逆に砦一切見ないでマリウスしか眼中にないときもある)

竹内マリウス

プレビューのときに「慶應幼稚舎出身東大卒マリウス」みたいな感想がTwitterで回ってきてて分かる…と思ったし、佇まいから役の背景がうかがい知れるマリウスだなと思ってたけど、この日はより生い立ちや「人となり」の部分が立体的に立ち上がってきてて、見るたびに堅さが取れて面白くなるなと思った。さすがに若い、成長がはやい。
このマリウスは、一人っ子で、完全に隔離されて育ってる気がする。ずっと弟がほしかったのかな?ちょっとコミュ障っぽくて、パリに来て初めて友達(アベセの仲間たち)や弟(エポニーヌ)ができる。
屋比久エポとの「なにくれる?」「なんでも」のあたりで、兄弟みたいだなーって思ったんだよね。年が近い、対等感あって、友達みたいな兄弟。(妹ですらない…)
パリ、深堀治安官が「おい!」って三色旗咎めたときに飛ぶように駆けてきてアンジョの間に割って入ってたんだけど、たぶんこのマリウスは砦爆破しようとするなと思った。想像つく。
りりかコゼットと柴原モンパとの間に入ったときの「「「よわい」」」感も凄いあるから、弱いのに馬鹿度胸があるタイプ。
「サツも探してた」で本で屋比久エポの頭をポンしてから本の上下をひっくり返す。
一幕民衆の歌のあとエポに連れ出されて、エポの背中を押してエポに先に行かせたあと完全に立ち止まってた。そこでアベセの列に戻ろうと振り返る。ここまではっきり列に戻ろうとするのは珍しいなと思った。
プリュメ街でエポをくるくるしながら「僕をここに連れてきてくれてアッハハッ🎶」て笑って、お、おまえ~!ってなりました笑

鎌田司教

うまく言えないんだけど、「あなたの魂わたしが買った」のときに「裸足」であることに物凄く納得する司教だと思ってるんだよね。演出として「裸足」であることに意味がある感じ。キリスト教的には「裸足」は謙遜を示すそうなんだけど、鎌田司教の「裸足」は自分自身に対する厳しさ、なのかな…。
ここは私も宗教者でないからうまく言えなくて、ちゃんと考えたいとこなんだけど、検索してて考えるヒントになりそうなページ見つけたから繋げておく。
銀食器を戸棚にしまうときにシュガバルのこと見てて、なんか、バルジャンが盗むかもしれない、とは予感してるのかなと思った。だからといって止めることはしない、なすがまま…というか「行って為すべきことをせよ」なのかな。
「銀の燭台を使って正しい人になりなさい」バルジャンに呼びかける感じで、わかってほしさとわかってくれるという信頼を同時に感じる。導く者としての教化の意志と、寄り添う心。
この日はシュガバルで、シュガバルは「自分の中にあるきれいなものが見えなくなった人(心の中にそもそもきれいなもの・明るいものが内在する人)」だと私は思ってて、鎌田司教はそれをもう一度見つけてあげて、同時に見えなくなる過程を理解する人なんじゃないかという気がした。つまり司教もかつて、心に暗いものを宿したことがあり、克己して神に照らされる道に帰った人。
私、カマンベール観れなかったのすごく悔いてるんだけど、司教はそれ以来のはまり役じゃないかなという気がする。コンブフェールが悪かったっていうんじゃなくて、司教の「あなたの魂わたしが買った」のあと、バルジャンの魂が死んで生まれ変わる、すごくダイナミックでドラマチックな曲になるわけで、そのブースターとして、硬度の高い克己心を感じさせる鎌田司教はすごく良いという話。

相葉アンジョルラス

前にモンパルナスやってた西川大貴くんが「アンジョルラスは不思議な役。稽古場でもらしさを期待されるというか、みんなをまとめなきゃいけないみたいなものがある」みたいに言ってたんだけど、アンジョルラスって板の外で他の学生キャストと作った関係性が、それに近い形で板の上に乗る気がする。
「その役を演じるのではなく、その役を生きる」ことを要求されるレミの舞台の上の、オフマイク、視線のやりとり、一瞬の態度に透ける関係性。アンジョルラスが好きな私たちは、「作られた芝居の向こう側」を見ている、気がする。
実際はどうかわかんないから「気がする」で締めてみるけど。笑
相葉アンジョには「それでもみんな僕についてくる」みたいな選ばれし者の輝かしい魅力的な傲慢さがあって、でもなんか学生たちの中では良い意味で舐められ感というか気安さはあって…って19年で思って、今年はさらに大人としての視点があるな、って思う。
「作られた芝居の向こう側」の話になるんだけど、若い学生キャストが増えたとか、3期目だとかもあるとは思う。
今年の相葉アンジョは大人としての視点も獲得してて、命の重さも背負ってる。
この日は、竹内マリウスとの年齢差がいい感じに作用してて、弾探しのときに「(若いお前を)行かせないそれは危険だ」になるし、それでバルジャンが行くことに納得もしてる。
なのにその場で一番若いガブローシュが死んだことに衝撃を受けて座り込んで、衝撃が消えないうちにアーミーオフィサーの警告が鳴り響き、悔しくて悔しくて砦を殴り付け、歯噛みしながら砦を掴んで立ち上がり、外を見る。怒りで思考が飛んで「死のう」だった気がする。
「立つのだ」で砦の中を順に見ていって(下手の上にいるジョリも見てたね)、「仲間よ」で視線が上がり客席へ、「世界に自由を」では未来を見てる。
19年のツアーの途中(たしか博多)から相葉アンジョ最期に頭飛ぶようになった記憶あるんだけど、怒ってると同時に「死のう」は原作アンジョルラスの「命を高く売りつけてやろうよ」なのかなと思ってる。どうせ死ぬなら一人でも多くの敵を倒すぞ宣言。

持木クルフェ

一幕始まって気付いた、この日蜂組だった。(虫が駄目な竹内くんの代わりに蜂退治をしようとするも刺される持木さん、というご本人ツイートから)(最終的に川島さんが解決したっぽいけど、マリウス庇って蜂退治をするクールフェラック、偶発的に現れたグランテールにより解決という出来事、それぞれのキャラに重なりすぎておたくが沸いた)
ABCカフェは苦労性のクルフェウォッチが楽しいんですけど、テーブルに乗った丹宗グランテールの腰叩いて降りろっててやってる蜂フェさん(グランテールは全く気にしてない)面白かった。
たぶん今年の相葉アンジョが大人としての視点を獲得して、命の重さを背負ってるから、以心伝心だなぁって思ってた。
今年、スパイをバルジャンに渡したあとでクルフェがアンジョに抗議するんだけど、相葉アンジョはもちフェに仕事戻れよって腕叩いてて、それが「言わなくてもわかるだろ」に近いものを感じる。笑
BHHの最後でうなだれて少し過呼吸みたいに上半身が動く相葉アンジョが呼吸整えて振り返っての「市民は来ない」のとき、もちフェは驚きも落胆もなくて、同じこと感じてたんだと思う。「子供あるものと女達は去りなさい」でももちフェは持ち直さなくて、苦しそうに砦の中を見下ろしてた。町田学生と鈴木コンブと手を合わせるのにも時間かかった気がする。みんなを死地まで導いてしまった責任を感じてる。
ガブ死のあと茫然と砦の中を見下ろしてて、その中で鳴り響くアーミーオフィサーの声聞きながらもちフェは泣いて顔を拭ってて、悔しいんだって思った。そこからの相葉アンジョの怒りの「死のう」のときには、もちフェも泣いているし悔しくもあるし怒りもあるし、で、相葉アンジョと同調してて、以心伝心の首領と中心だった…
上山アンジョともちフェはツーカーだったけど相葉アンジョともちフェなんか…以心伝心って感じ…

覚書

・島田ファクガ、ファンテに「殺してやる」
・マリウスきたときの新井ジョリ横田プルべ「ここに座れよ」「どうしたんだ」
・ABCカフェオフマイク
?「みんなが平等であるべきだ」
もちフェ?「変えてやるんだ俺たちで」
・(アンジョ「この死を無駄にしてはならない」に対して)宇部レル「どうするんだ」
・今日砦落ちるときみんな何かしら叫んでてたぶん「フランスに自由を」は聞こえた、と思う。あれ誰だったんだ(銃声苦手であそこ頭わ〜ってなってる間にみんな死んじゃう)

Les Misérables 2021/6/3M

画像1

佐藤バルジャン

シュガバルの中の、本人さえ諦めてしまったきれいなものを司教は見つけてくれた…が今期のシュガバルの印象だったんだけど、この日は少し違ってた。
鎌田司教に燭台渡されるときのシュガバルが赤子のよう…というか、なんだか凄く幼く見えて、「主は救いたもう」までわかってなくて、「あなたの魂」で初めて察して段々俯いて、自分のしたことを後悔してた。悪意には悪意で返し、善意には善意で返す鏡のよう。
「からかわないでよ」からのファンテの言葉聞いて、おろおろとうろたえてた。

二宮ファンテ

工場長の「この淫売が」の前に二宮ファンテ、「市長!市長!!」って、司教が消えた下手の階段見上げて叫んでた…。
二宮ファンテはたぶん優しくて誠実な市長を慕ってて、だから、その市長に「見捨てられた」絶望が深い。

りりかコゼット

プリュメ街でエポを助け起こしたあとの反応が、何か考えてる風で、エポのこと覚えてるか思い出してる気がする。
「私の悲鳴よ、でも声を聞いて」で目を泳がせながら一生懸命考えてて、「みんな逃げたわパパ」でバルジャンに抱きしめられたときに目を見開いていて、この子は生まれて初めてパパについた嘘に動揺している…と思った。パパに嘘をついてしまった、どうしよう、の顔。

屋比久エポ

屋比久エポには憤りがあって。
「こんなもんよ」と言ってたけれど、コゼットを育てたバルジャンの優しさに触れて、ずっと気付きたくなくて見ないふりしてた「自分はみじめなんだ」ということに気付いてしまった感じがする。OMO「愛してる」の3回目のときに唇震わせてて、あれは本当は泣きたかったんじゃ?

内藤マリウス

一幕の内藤マリウス、前髪ぴょこんと立ってて可愛かった…そういう子じゃん内藤マリは。笑
二幕、恵みの雨で「届けにいくと父親がでたわ」のとこでなんだよ、ていう風に立ち上がってて、段々エポの様子がおかしいと気づいていく。
告白のバルジャン「旅立つ時が来た姿を消さねば」で内藤マリウスは顔を覆ってうつむく。内藤マリウスはバルジャンを慕ってるところが凄くいい。
この日のシュガバル「会えば別れがつらい」が強くて、内藤マリウスの服を掴んでいて、そこでバルジャンの身を切られるような痛みを内藤マリウスは察してた。

テナルディエ夫妻

結婚式のわちゃわちゃ感増してる!笑
どやされつつもスタイル良くて華やかなマダムにベタぼれテナって感じ。ニチアサ悪役風の夫婦。
このご時世なのでホイホイチケット増やせないけど、できたら次もこの組み合わせで見たい。可愛い。
斎藤テナ自体は暗くて陰惨なイメージのあるテナだと思ってるんだけど、樹里マダムの華やかさに合わせて調整してるのかも?レミはテレビの世界からも出演する人多いけど、この数年で一番のヒットは斎藤テナだと思ってる。

相葉アンジョルラス

今年の相葉アンジョ、街角FC(相葉アンジョはパリの街にFCある)女子に笑いかけてくれたりはするんだけど他の学生に「やめとけって、あいつ可愛いの顔だけだぜー」って言われそう。
一幕、私が見てる中では今期いち光ってた。(自家発光)
「マリウス、わかるようにけれど(わからない)」By the wayのわかるけれどでしたね…ちょっとそれ棚上げしといて、って話し始めた。
比較的続投多い学生陣でみんな動き回るので、ラマ死のあとの「葬儀の日に」でアンジョが振り返ったら宇部バオレルで持木クルフェ探しに行ってた。
二幕。
砦の外を見るばちんじょ「やってる?(旗ペラっ)」
いやフォロワーに言われてからこうとしか見えなくなってしまい…笑(ヘイらっしゃい)身長あるから旗捲らないと見えないよね、わかってるんだ。
今年の相葉アンジョは命の重さを背負ってるよね。
エポ死でグランテールに見つめられたとき、相葉アンジョはその視線をしっかり受け止める。命が失われる覚悟はしてたけど、つらくないわけじゃない、心が動かないわけじゃなくて、だから背負ってるなあと思って見てた。
DwMが歌い継がれてるとき砦の上のほうでも笑顔になってて、持木クルフェが笑顔で砦の中見下ろして、相葉アンジョと鈴木コンブが顔見合わせて笑ってて。グランテールが歌い出したとき、相葉アンジョは砦に両手ついて肩落として「まったくあいつはもう」って苦笑する風で、クルフェたコンブもそれ見て少し笑ってて。この砦は本当仲いいなぁ、グランテールも仲間の一人だなと思ってた。
「死もおそれぬか」で動揺する砦、降りていこうとする鈴木コンブを止めて自分が降りていく相葉アンジョ。
「偽りじゃないか」でアンジョのシャツ掴んだ丹宗グランテールをアンジョは少し驚いて、でも説得しようとして、丹宗グランテールはいいんだ、わかってる、って言うふうに手をかざして上手に行って。
相葉アンジョはそれ見送ったあと砦を登って少しうなだれていて、覚悟はしている、でもつらくないわけじゃない。
丹宗グランテールは強くて、今年の相葉アンジョはグランテールの恐れも分かってて、それらを飲み込んで覚悟して命の重さを背負って決起してて、だから平行線になる。
相葉アンジョはみんなに支えられてる自覚のあるアンジョルラスだけど、決断は相葉アンジョがする、という印象の強い砦で、だから孤高だなと思ってた。
今年の相葉アンジョは人の気持ちが分かるし、命の重さを背負ってるから、一旦ガブ死で崩れるのはわかる。
アンジョルラスは「死のう」で残った仲間の命をぜんぶ擲たなければならない。
でも、あそこで号令ひとつで仲間の命を擲つには、今年の相葉アンジョは優しすぎる。だからガブ死で頭真っ白になって彼岸を見る、一旦みんなを思いやる気持ちを消し飛ばさないと「死のう」とは言えないんじゃないかな。
破れかぶれだったり、唐突な感じはしなくて、原作アンジョの言葉「命を高く売り付けてやろう」があの場所で天啓として飛び込んできた感じ。そしてそれをコンブとクルフェも支持する。
「立つのだ仲間よ、世界に自由を」は「仲間よ」から客席を見るので、「命を高く売り付けてやろう」が飛び込んできた瞬間に彼岸を見て未来を見たなと思った。
最期、丹宗グランテールに引き起こされたときの相葉アンジョの表情もありがとうに見えて、
「俺はこういうやつで、お前はそういうやつで、平行線ではあるけれど、それぞれに納得して死ぬ」
みたいな、とっても男っぽい砦だった気がする。
正直いって相葉アンジョがこういう首領に着地するのはとても意外だった。(学生続投組が持木丹宗深堀という暑苦しい布陣だったのもありそう)
結婚式、相葉給仕さんは招待客の後ろで「ほらほら見て〜(グラスがくっつけてあるお盆をクルッ)」っていうのを構ってくれる人が見つかるまでやってた。

持木クールフェラック

19年のときよりも持木クルフェが相葉アンジョに預けてる印象ある。
スパイ渡したあと持木クルフェが怒って降りていこうとして、深堀レーグルに腕掴んで引き止められてた。「夜はすぐふける」のあとでばちんじょがもちフェの腕を軽く叩いて、いなしてて、はよ仕事に戻れって言ってるみたいで笑ってしまった。
普段、相葉アンジョあれやっといて」って雑な指示出して持木クルフェそれぜんぶ察してやってあげてない?笑
BHHの最後にかけて、少しずつ相葉アンジョの重心が傾いできてて、相葉アンジョが苦しそうに「見捨てられたのだ」と言ったとき持木クルフェはうなだれるけど、察してた顔してて、「子供あるものと女達は去りなさい」で持木クルフェは何か決然とした顔して。
相葉アンジョ命の重みを背負うから、持木クルフェもきっとここまで着いてきたことを後悔しないんだって思ったな…

いろいろ

・井伊ガブ、新井レミのガブローシュっぽくない??
・「休むというなら追い出すぞ」のあとで大津ヒモ薄く笑った?こわかったんだけど
・スパイを撃ったと思われる銃声が響いたあと、鈴木コンブがこれでよかったのか…みたいに悩んでて、「感謝します(ガンガン)」でよかったんだって気を取り直してて、大丈夫だよスパイは逃がされたよ!
・「お道具見せてやりな」あたり菊池病気の娼婦がファンテ心配してた?
・鈴木コンブの髪型が前みたときより綺麗になってる気が…医者がきっちりしてるから差をつけてるのかなと思ってたけど
・マリウス「夢のように消えた」のあと、新井ジョリ横田プルべが「こっちだ」「遅かったな」って言ってたよね?
・丹宗グランテール、フェンシングで遊びながら酒瓶を取り返しにいき、遮ったアンジョルラスにエア剣を鞘にしまってた

レミゼ2021 演出変更まとめ(6/6更新)

※主に2019年からの変更点
※気付き次第追記します

・「夢やぶれて」の前奏復活(旧演出にあったやつです)!して、歌の入りに弦楽器増えた気がする。他にもオケ変わってるっぽい(私はわからなかった…)
・ジャベールがバルジャンにジャケットを着せるシーンカット。
・宿屋、コンブ医者とフイイ助手がテナに小銭取られたこと気付ない(19年は医者が気付きフイイ助手が疑われてた)
・宿屋ラスト、テナルディエがお酒吹くところは飛沫対策なのか、マダムが差し出した鍋にお酒吐く感じになってた。
・本を読むマダムテナカット、香水屋さんの鞄から香水取り出してうっとり眺める。
・「だけどこの子、年中病気でね」でゴホゴホするところがカット。
・ABCカフェの酒瓶キャッチボールでアンジョがパスカット(キャッチ)するのではなく、割って入る演出に。
・バルジャン「お前さびしい子よ」→「ああコゼット、さびしい子よ」
・砦、マリウス→エポニーヌの「いつ戻ってきた」が「なぜ戻ってきた」に戻る
・「その男はあなたに任せましょう」のあとアンジョに食ってかかるのがバベ学生ではなくクルフェ
・ガブ死のあとに学生全員が恐慌に陥るのなくなる。(砦の下は恐慌してて、上の幹部は覚悟決めてる)
・アンジョの「世界に自由を」は客席を見る。3人ともそうだから多分演出。
・結婚式マリウス「持ってけ!(殴る)これもだ!(お金ポイッ)」以前は逆
・結婚式テナ→モンパ招待客のキスなくなる