観劇記録

戦う者の歌を聴かせて

Les Misérables 2021/7/25M

画像1

今年の福井バルジャン、おとうさん力が上がってるのでエポもジャベも引き取ってほしいんですよね。(ふうかエポ(健気可愛い)やリオジャベ(若い)だと凄く思う)

福井バルジャン

独白、背景の教会の十字架を見上げたときに「拒絶」から燭台の入った鞄を投げ捨てる。(前日のシュガバルが「怯え」だったから印象に残っていた)
ジャン・バルジャンは死んで生まれ変わる」のだから、この「ジャン・バルジャンとしての生」を終わらせるためには痛みが伴う、その痛みを拒絶している。心臓こそ止まってないけど、精神が変形していく痛み。
やっぱり「恥にまみれた俺に」の部分が印象に残り、過去を恥部としてるバルジャンだな、と思う。プリュメ街で反抗期・敷村コゼットにシャッターを閉ざすのも継続。
敷村コゼット「私の悲鳴よ」のあと、「えっ?!」っていって外を見に行こうとしてた。
この日、BHHのメインはマリウスだけど砦の学生たちみんなに対する気持ちもちょっとあって、木内アンジョの「死のう」のあたりでアンジョを止めるために手を伸ばしていた。
砦で目覚めて、死体の山に呆然として、マリウスの脈を確かめて神に感謝してから下水道へ。下水道の柵を閉めてから、悼むように砦を眺めていた。
告白のところ、竹内マリウスは福井バルジャンにはそんな塩ではないんだが、「頼むよ」でバルジャンにコートの襟を掴まれた手を柔らかく笑って外す、緩やかな拒絶をしてくる。マリウスが去ったあとで福井バルはその手を見下ろして、弱く、苦く自嘲していたのが印象的。
彼に父と呼ばれる資格は自分にはないのだ、と理解しているようで悲しく、同時に老いたのだとも感じた。

二宮ファンテ

混乱はしているのだけど、この日は憤り強めだった気がする。なんで私だけがこんな目に、みたいな…
大泰司労働者がファンテに同情的なの、めぐファンテだとファンテに助けられたことがあるからで、二宮ファンテだと仲がいいからに見える。大泰司労働者は、ファンテに子供がいることを聞いていたのかも?
二宮ファンテは、普通に女友達がいそうなファンテに見える。孤立しない、というか。
「気取りまくってさ、わり食うのはこっちよ」でファンテに女性たちが詰め寄るあたり、大泰司労働者は今日すっごく体ごとファンテに背を向けてて、そのあと、それに罪悪感感じてる顔してた

ふうかエポ

エポのOMOはコゼットの父(バルジャン)に手紙を渡したあとなので、自分の父(テナルディエ)と、コゼットの紳士的な父とを比べたり、コゼットと自分の環境を比べたりしたあとに出てきてると私は思ってて。
この日のふうかエポOMO「でも一人さ」のところ、雨のはずなのに冬のように、凍えそうに見えて、ふうかエポは「誰からも顧みられない」孤独があるんだと思った。
誰も私のことを見てくれない。愛してくれない。心配してくれない。
これはマリウスのキャストによっても見え方が変わって、竹内マリウスはエポが眼中にないので、このふうかエポの「誰からも顧みられない」孤独が強く出る。
恵みの雨の「マリウス、これでいいの」も、ちょっとでも振り向いてくれて幸せ、になる

木内アンジョ

木内アンジョ、なんか光り始めたんだが…?!
最初から、というよりも1幕民衆冒頭あたりから光を宿し始めている気がするので、たぶんあそこで天啓が聞こえてるんじゃないかな。
カフェで杉浦フイイの胸を指差してたな…脈打つ鼓動、流す血潮、屍の向こうに拓かれる未来。
ODM「さあ隊列を」で銃を持ち替えるときに大地を示していて、ここに続け、って意味かなと。
二幕。BHHでアンジョを見上げたとき、翼を幻視した。
丹宗グランテールはニヒリストでリアリストだから「死という事実」を突きつけてくるけど、川島グランテールはやや皮肉っぽい視点から「死の意味」を問うてくると私は思ってて、たぶんアンジョの視点からは川島グランテールに応えるほうが難しい。(自分が死ぬこと/殺すことを覚悟はできても、その死の意味は歴史が付与するものだからね)
でも木内アンジョは、その川島グランテールの問いに対して目を逸らさずにきちんと考えている。
「市民は来ない」のあとで「それでも僕らは恐れる市民を見捨てない」「子供ある者と女達は去りなさい」がその答えだったんだと思う。「子供あるものと…」は砦の中の者たちを説得するように言っていて、残りたい人達の気持ちを汲みながら、生きるべき人達を生かそうとしていた。
この戦いは暴動で終わるだろう、それでも我々はこの戦いに一つの筋を通そう、というようで、絶望ではなく、勝敗や生死を割り切った潔さがあった。
下でグランテールが酒瓶掲げて、木内アンジョにもそれが見えていて、頷いてた。あそこで、ガブローシュを逃がそう、って合意ができてたと思う。(その後グランテールはガブを逃がす)
木内アンジョ、自分の中に硬質の価値観があるアンジョルラスになったなと思った。
血を流すことも流させることも覚悟しているけど、その意味を問われたときに少し揺らいで、でもちゃんと自分の正しさから判断する。
(そういえばバルジャンがジャベ逃がすところでジョリのケアするようになったよね)
ガブローシュが撃たれるところ、やっぱり木内アンジョの体勢だとおそらくガブローシュの血を浴びている。
木内アンジョはガブローシュの遺体をグランテールに渡したあと、グランテールの背を見送って俯く。鳴り響くアーミーオフィサーの警告。
恐慌の砦、木内アンジョは重心が傾いたまま外の居並ぶ兵士たちを見る。アンジョの背中は丸い、みんなが叫んでいる。アンジョが拳で強く自分の胸を叩く。
あれは絶望だったのか、怒りだったのか、どちらかといえば怒りに見えていたけど、いずれにせよ、「自分の感情に思考を支配されないため」に胸を叩いているように見えた。
思い出せ、俺たちがなんのために、誰のために決起したのかを。
思い出せ、俺たちの理想を。
そして、すっと姿勢を正しての「死のう」だった。
前はここ笑ってたけど、笑わなくなった。たぶん冷静に、自分たちの理想に立ち返って殉死するようになったからなのかな。
「世界に自由を」のあとで戦うとき島崎ジョリが胸叩いてたな…。撃たれたマリウスに駆け寄ったアンジョをグランテールが引き起こしたあと、木内アンジョは川島グランテールに笑って、「ありがとう」って言ってた。
川島グランテールも最期「ありがとうアンジョルラス」って言って撃たれてた。
木内アンジョ、なんかどんどんメンタル強くなるので、今期のうちに川島グランテールに死の意味を問われても揺らがなくなりそうな気もしてる。
前日までは何かがよぎる、兆す印象だったんだけど、帝劇楽で光り出したから、たぶんそのうち何か降りるタイプのアンジョだと思う。

木内給仕さんほぼ見えなかったけど、松村給仕さんに奇行を注意されて蟹のハサミで攻撃してるのは見た。どうも蟹で付け合わせの野菜挟んでマリトッツォ作ってたらしい。蟹トッツォ。木内給仕さん、いつも食品手づかみしてるから皿って概念を知らないのかな。

覚書

・石飛工場長が波止場でファンテ見て一瞬驚いた顔してから「やっぱりな」みたいな顔してたのしんどくて今日はエポコゼ娼婦バイトウォッチできなかったな…

・テナインで藤岡酔っ払いぶん殴る石丸鳩ちゃんは今日もかっこよかった
ふんって感じで酔っ払いを見下ろしたあとで下手奥に行ってちょっと聞いてよ〜!みたいにしてたよね?

・古川医者、なんか可愛い生き物だった。詳しく知らないけどモルカーにいそう。(シロモちゃんはみりマリ)

Les Misérables 2021/7/24M

画像1

2012年のヒュー・ジャックマン主演映画の「レ・ミゼラブル」の日本のキャッチコピーは「愛とは生きる力」だったと思うんですが、この言葉を強く思い出す回だった。

シュガバル

本当に…良いバルジャンになって…となった回だった。どこから目線。
シュガバルは19年から色々変わったけど、でも一貫して愛おしくなるバルジャンなんだよね。
もともと受け取る芝居がうまい人だと思うんだけど、受け取って、受け取ったものを「発する」ところが今年本当に凄い。
この日、独白も、裁き(Who am I)も、告白も、伝わってくる感情に泣けた(シュガバルのBHHは純粋な祈りの歌なので私いつも泣いてる)
鎌田司教、前のときシュガバルに厳しかったけどこの日は優しかったな(鎌田司教比で)。
バルジャンの独白で、背景の教会の上の十字架を見上げて、怯えて足がもつれて転んでいた。十字架を見て怯えるのは、自分が神の秩序の外にいると思っているからだと私は思った。
鎌田司教は多分神の秩序に疎外されたことがある人だと私は思ってて、だからバルジャンの気持ちがわかる。秩序の外から、秩序の中に立ち返った人。その人が、秩序の中からバルジャンを呼ぶ。
自分は神の手からこぼれたと思い込み、憎まれたから憎もうとしたバルジャンを呼ぶ。
この構造としての美しさにまず感動し、そして司教の存在こそが「まだ神の手の中にいる?」とシュガバルに気付かせるきっかけになるのだと思った。
シュガバルには砦の学生たちへの共感があって、だからBHHも砦の学生たちみんなへの歌に聞こえる。
バルジャンの告白でシュガバルが言葉を途切らせながら歌ってて、真実を言いたくないのはもちろんあるんだけど、内藤マリはバルジャンを慕うから、その彼が悲しむであろうことを言わなければならない苦しさがあってもう泣いた。
私は、シュガバルは「光」を宿すバルジャンだと思う。まぶしいような、ピカーーとした光じゃなくて、優しい、ほわっと人を包み込むような光で、その光の裳裾が引いた跡に温かいものが残る。

内藤マリウス&いろはコゼット

このマリコゼの組み合わせは「生きている」「生かされている」「愛している」「愛されている」、そして「繋がっていく」…というメッセージが強く出る。
この日のカフェソングの「ああ友よ許せ僕は生きている」のところで、砦が落ちる直前に倒れたマリウスの首で脈を確かめる小野田アンジョの像がよぎって、そんなことを思う必要なんてないのに、って改めて思った。脈を確かめるって、生きていてほしいってことじゃない?
私は、内藤マリウスは両親をはやくに亡くして、パリでの居場所でもあった仲間たちも亡くして、という「喪失感」を強く持つ人だと思ってる。
いろはコゼットは「愛されている」自覚と芯の強さと、真っ白い光のような、清い明るさがある人。
喪失感のあるマリウスが、愛されている自覚と芯の強さを持つコゼットに救われていく。
エピローグで、泣きすがるコゼットを抱えたシュガバルが内藤マリウスを見て微かに微笑んで、内藤マリウスはにこっと笑って頷いていたし、シュガバルの体から力が抜けていくとき、内藤マリウスは腰を浮かしていて、逝ってほしくないのだと思った。
愛していたし、愛されていた。その自覚があるから、二人は明日も生きていく。
シュガバルの、優しい、ほわっと人を包み込むような光が、マリウスとコゼットに受け継がれていくようなフィナーレだった。
内藤マリウスのすごいところは、ここから更に客席に向かって、その光を渡してくるところだと改めて思った。「愛とは生きる力」だな、と…。

めぐファンテ

私はめぐファンテは賢いファンテだと思ってて。例えば職場で、非効率的だったり1人に負担がかかってたりすると改善案を出す人だと思う。意志が強くて正しい人。
でもそういう人ってえてして、改善前のほうが楽だったり得してたりする人には疎んじられるよね。
工場、鳩バイトの労働者が机の下手端にいるんだけど、大泰司さんの労働者はファンテに同情的なの。
この日もやっぱりファンテのことを気にしてて、シュガ市長が下手の階段を昇って行ってしまったとき、市長とファンテを交互に見て心配そうにしていた。
めぐファンテも大泰司さんの労働者に心配されてるの分かってたと思う。
大泰司さんの労働者は、他の労働者の女性から話しかけられたりするのを見ても、あんまり気が強くない、人に言い返せない人に見える。
だから、めぐファンテと大泰司さんの労働者の組み合わせだと「この労働者の女性は、ファンテに助けられたことがあるのかもしれない」と思った。
例えば、大泰司さんの労働者に雑用が押し付けられてるのを見ためぐファンテが、その雑用をみんなで分担しようって言いだしたりとかしたんじゃないかな、と。あの工場は元々市長になる前にマドレーヌさん(バルジャンの偽名)が始めたものだから、マドレーヌさんもそのファンテの提案を容れて、大泰司さんの労働者は助けられたことがあるんじゃないかな、と想像した。
だからファンテが追い詰められていくのを見て、大泰司さんの労働者はつらくなるんだけど、めぐファンテと違って気が弱いからファンテを助けられない。
大泰司さんの労働者、「この淫売が、出てけ」の前すっごい罪悪感かんじてる顔してファンテを見てた。
めぐファンテは賢くて意志が強くて正しい人っていうのは波止場でもいえると思ってて。
バマタボアに殴られて朦朧としてるとき、他のファンテは病気の娼婦に心配されていても、はっきりした反応は返せないんだけど、めぐファンテは返してるの。正気なの。
正気だから、ジャベールがそこにいることも察している。
それで、心配してる石丸病気の娼婦を、警察が来てるから逃げなさいって突き飛ばすんだけど、病気の娼婦はジャベールに捕まってしまう。
この逃がす動作はたぶん、めぐさんと石丸さんでしか発生してない気がする。
そんな感じで、人を助けたり守ったりする性質のファンテだから、ジャベールの「まともな仕事に正しい報い」が、ものすごーーーーく残酷に響く。
彼女はそうありたかった人なのに、社会の不備が彼女を苦境に落とし込んでいく。

小野田アンジョ

7/11M以来の小野田アンジョ。変わってるよと聞いてて楽しみにしてたけど、もはや別人だが?!となった。NEW小野田アンジョだ。
みんなの中では特別だけど、みんなと同じ地平にいる。普通の青年としてのアンジョ。
1幕、ABCカフェのとき、みんなを圧するような声の響きがなくなったな?と思って。
民衆フイイプチソロのとき、小野田アンジョが階下で片手をあげてフイイの言葉に応じているのが見えて、今までたぶんこうはしてなくて…たぶん頷くくらいだったと思うから、何か変わったなと思ってた。
ODMのラスト「明日がくれば」のあたりでふっと上空に視線を投げてて、明日を探している…!と思った。
2幕、川島グランテールの「痛い目にあわせてやろう」への反応でも笑ってた。前ここ頷いてたはず。
恵みの雨のあとでグランテールに見られたときも避けなくなってる。心にチクっとは来てるとは思うけど、人が死んだということを受け止めている。
バルジャンに「そのスパイ、ジャベール任せてほしい」と言われたときも、古川コンブが頷いて、それを確認してから決めていた。(前はここコンブの反応を待ってなかったと思う)
この日のDwMで印象的だったのが、杉浦フイイが歌いだしてしばらくしてからも、砦の上の幹部たちは重たい雰囲気で「僕たちの綺麗な子」「僕たちと寝てくれた」でジョリに歌い継がれるくらいで、たぶん今井クルフェや古川コンブも砦の中を見て笑ってて。
杉浦フイイは、歌いだす前に、よしって決めてるから、みんなの雰囲気変えたくてやってるんだと思う。コンブ・クルフェ・フイイの役割分担としてきれいだな~と思ってた。フイイがみんなを明るくしてくれる。
その中で、川島グランテールが「死など無駄じゃないのか」といって、空気が凍って、モンパ学生がグランテールに掴みかかって。
杉浦フイイは周りをよく見てる人だけど、そのフイイにもどうしたらいいかわからないの。そこでアンジョが下りてくる。
「偽りじゃないか」という川島グランテールに、この日の小野田アンジョはちゃんと向き合おうとしていて、その向き合おうとするアンジョからグランテールが逃げて、アンジョが引き留めるけど、川島グランテールは誤魔化すように笑いながら、誤魔化し切れてない顔で上手に向かう。
マリウスの「死んでもいいさ…」あたり、小野田アンジョは砦の中を見回して、上手の上にいるクルフェのほうを確認して、砦の外を見てた。
あと印象的だったのが、ガブローシュが撃たれる瞬間。
前はここ、小野田アンジョは体は上手の砦の影で両腕だけ出してる瞬間にガブローシュが撃たれてたと思う。この日は両腕出して、思わず、というふうに体が浮いて、砦の影から出ていて…自分を守る芝居をしなくなったんだな、と思った。
ガブローシュの遺体をグランテールに渡したあとに座り込んでしまうのは変わらないんだけど、立ち上がって、砦の外の、居並ぶ兵隊を見て、砦の中、上手のクルフェたちを見て、下手のジョリを見て、砦の下を見る。そこで出てくる「死のう、僕らは敵など恐れはしない」
あの瞬間、負けを確信した瞬間に、何がみんなのためになるか?を懸命に考えて出した結論のように見えた。
マリウスが落ちて、アンジョが駆け寄って、グランテールに引き起こされる。あのとき、小野田アンジョ最期なんて言ったんだろう…あまりに川島グランテールの耳元に顔寄せてたから、なんか言ってる!ってことしかわからなかった。あれ聞こえた人いる…?
21年の小野田アンジョ、19年のイカロスアンジョから変わってるけどなんか…わからない…という感覚でいて、ここにきてNEW小野田アンジョになったので戸惑ってはいるんだけど、私の中では腑に落ちたかな…。
NEW小野田アンジョは、みんなの中では特別だけど、普通の青年として懸命にみんなのこと考えて、生きて、死んでいった。地上のアンジョ。
普通の青年としてのアンジョ、もしかしたら小野田くんがやりたかったアンジョとは違うのかもしれないけど、今の演出はエモーショナルだから、元々周囲に気を配ったり気遣いできる性格の役者には、「人の機微に疎いアンジョ」は難しいのかもしれない。
気付いてないわけではないのに無視をしているとか、気付いていて利用している、ように私には見えてしまってた。それよりは全然、腑に落ちる。
地上のアンジョは私の中では19年の上山アンジョが極北なので、また違うものが見れたら嬉しいな~と思った。
小野田給仕さんはロブスター(だと思う)をお皿ごと持ってうろうろしていた。仕事やる気はあるタイプの給仕。

覚書

・エポコゼ娼婦ウォッチ、今日はいろはちゃんの娼婦の足に腕を置いてもたれる生田ちゃんの娼婦…こんなのもうドガの絵じゃんね

・テナイン、藤岡酔っ払いが綺麗に倒れて、ぶんなぐった石丸鳩ちゃん小さくガッツポーズしてたのかっこよくて惚れるし、杉浦助手にカードゲームに勝って座ったまま小躍りする古川医者が可愛くて笑った

・盲人さんの鳥がミンチになるとき、谷口マダムがぴーちゃーーん!って叫んでた

・ABCカフェ、上手の階段の上で浮かれる内藤マリウスを上手の柱に凭れて腕くんで見守る古川コンブと杉浦フイイ、の図がなんかすごい良かった。初恋だな~って見守ってる。

・ABCカフェ、杉浦フイイ「みんなが平等だ」っていうの好き

・酒瓶キャッチボールからのレーグルに突進していったら小野田アンジョがいた川島グランテール、振り返ったら今井クルフェに見下ろされててちょっと笑った。怒られてる。
この日じゃなかったかもしれないけど、アンジョの「今が決断をするときだ」のとき川島グランテールが「そうだぞ」って古川コンブだったか指さしたときがあって、いやお前だよと思って笑った。

・砦ができたときの「ここが俺たちの死に場所」のときに今井クルフェが右足を台に乗っけるの好き。
今井クルフェは外連味があって血気に逸る感じがしていて、そこでぽわんぽわんした雰囲気の古川コンブ、という組み合わせはわかる。
同時に、クソ真面目熱血漢持木クルフェ&遊びも知ってそうな鈴木コンブという組み合わせもわかる。

・「こどもある者と女達は去りなさい」のあとで今井クルフェが苦しそうに砦の中見てて古川コンブが励ましててすごく良かった 良い

Les Misérables 2021/7/23S

画像1

1幕途中からジョリ新井くん→島崎くんにバトンタッチ。
この日は二階から観てて、改めてWho am Iでバルジャンの影が2つに別れていたものが、バルジャンが決意を固めたときに後ろがバーって開いて照明が差し込んで1つの影になるのが美しいなと思ったのだった

福井バルジャン

この日の「今こそ自由だ」が掠れていて、牢獄の苦しさや地獄のような場所から這い出てきた感じだった。
増原司教に仮出獄許可証を見せるというよりも、手に持っていたそれを無造作に滑らせるように投げていて、このバルジャンはしんどくなると全部がどうでもよく、投げやりになるタイプなんだよなあと。その後、燭台を司教に返そうとするときも床の上に投げやりに置いていた。
あとこの日気付いたのかって感じだけど、砦が落ちたあとでマリウスの脈を確かめて上を見て神に感謝してマリウスの頭を抱き締めるのがいいなあと。
あと下水道の扉を閉めてから砦見上げてた。朝には紅顔ありて夕には白骨となりぬ身なり…と思って観てたけどこれ仏教だ

リオジャベ

私は今年のリオジャベ観てるのつらいな…とずっと思ってたんだけど、たぶん仲間がいないリオンジョに見えるからだと思った。
リオンジョってたぶんただの一瞬も、自分が目指した未来も理想も疑ったことがなくて、死の瞬間も自分の理想を見ている人だったと思ってて。
リオジャベもまた、同じように死の瞬間も「自分の世界」だけを見ている。
自殺のフランス語歌詞は

「この事件が俺の道を逸らせることはできない。二種類の人間しかいない、他の人間はいないのだ」
「この世を離れたい。ヴァルジャンのようなやつを許し、ジャベールが政府のパンを盗むようなこの世界を」(渡辺諒『フランスミュージカルへの招待』91、92頁)

なんだけど、たぶんこっちの印象のほうが今年のリオジャベに近い。過去の自分/現在の自分の矛盾への相克。
だから、リオジャベの世界には自分以外なにもないように見える。バルジャンさえもいない。
自分の規範、自分の価値観に囚われて自殺していて、どこまでも孤独。
リオンジョは孤高だったけど仲間がいて、リオジャベは最後まで「俺、俺、俺」って感じがする。

二宮ファンテ

工場長に「出てけ」と言われる前にファンテが「市長!市長!」と市長が消えていった二階を見上げて叫ぶけど、二宮ファンテのこれが一番痛切な気がしていて。
彼女は自分は何が苦しくて痛いのか、言語化して認識することができない人だと思う。混乱している。だからあのとき市長を呼ぶのはクビになるのを避けたいという以上に、人望があり優しいマドレーヌ市長なら自分のこの苦境をわかってくれるはずという蜘蛛の糸を求める気持ちに近い。
ファンテが苦しいのは社会の不備である、ということを前提にして、バルジャンが「見捨てた」という印象が一番強いファンテ。

内藤マリウス&敷村コゼット

たぶん最年長のマリコゼの組み合わせだったんだけど、すごく良かった。
喪失によって「生かされている」ことを実感して成長するマリウスと、マリウスを支えることで成長するコゼット、だと思った。プリュメ街の少年少女からどんどん大人になっていく。
バルジャンの「俺のものじゃない、若くて自由」が、福井バルジャンの悲しみとともにコゼットの巣立ちを祝うように聞こえる組み合わせだった。

ふうかエポ

内藤マリウスはエポを妹みたいに思ってて、大事にしていて。
二幕あたまのミニバリケードでコゼットへの手紙を託すとき、内藤マリウスはエポを逃がしたい気持ちが出ている。
だから少し、ふうかエポの独占欲が出るというか、同じ気持ちを返してもらえないつらさが出る組み合わせだなと思ってて、恵みの雨の「マリウス、これでいいの」は「今はあなたが私だけ見ていてくれるから、これでいいの」に聞こえる。

木内アンジョ

前までもっと胃が痛そうなアンジョだったと思うけど、この日は違ってて、メンタル強くなってた。
5月の雛アンジョがもはや懐かしい…成鳥になった…たぶん猛禽の翼持ってる系アンジョ。
1幕ABCカフェ。
木内アンジョは「マリウス、わかるけれど」の前に、初恋浮かれぽんちウスに対して(こいつ本当どうするかな〜)みたいに考えてる間があって、思慮深いというのかな、色々考えてから物を言う人だと思うんだけど、ときどきスッと「何か」がよぎる、兆す瞬間があって、それが最期の「死のう」にも繋がるように見える。
カフェでグランテールがテーブル乗ったときに作成中のビラ踏まれてる宇部バオレルの背中を、それとなくぽんぽん叩きながら前に行って丹宗グランテール注意しにいったり、島崎ジョリに煽るなよって釘さしにいったり、基本的にみんなをよく見てる。
木内アンジョが「レッド夜明けの色、ブラック夜の終わり」でマリウスと握手する前に自分の胸を掌で叩いたとき、向かいの大津クラクスー学生が嬉しそうにまず自分の胸を掌でたたいて、そのアンジョの動作がじんわり染み入るように、横田プルべが胸を軽く拳で叩いてたのが、伝わっているようで良かった。
「鼓動があのドラムと響きあえば」のところでもアンジョは赤旗つかんだ手で胸を叩いていたから、あれは鼓動で、もしかしたらあのアベセの中の何かの符牒なのかもしれない。
さて、2幕砦の話。
前まで、木内アンジョは人が死ぬことを概念として理解していて、実際に人が死ぬと、その事実を前に怯んでしまうところがあったと思う。
エポニーヌが殺される、そしてスパイのジャベールを殺す(少なくとも学生たちは「俺たちがスパイを殺した」という自覚があるように思う)。
恵みの雨のあとで、グランテールがアンジョルラスに問いかけるように、責めるように見つめるところ。この視線の意味はグランテールによって違う。
丹宗グランテールはニヒリストでリアリストだと私は思ってて、だから恵みの雨のあとでアンジョを見るのは「人が死んだぞ、どうするんだ」と事実を問うてるのだと思ってるんだけど、前回観たときの木内アンジョはここでグランテールの視線避ける、みたいなとこあって。
でも今日はつらそうだけど受け止めてた。ちゃんと死を理解していて、人死にが出る覚悟を持って決起している。
バルジャンがジャベール逃したあとの銃声のときに木内アンジョは下手の花道(バルジャンが帰ってくるところ)に向かって銃を構えてて、スパイのほうが勝って銃を持ち戻ってくる可能性を考えにいれてる…とも思った。つまり、ここでも冷静で「スパイを殺した」という事実よりも自分が為すべきことを考えている。
アンジョは「死のう」の瞬間に砦に残った仲間たちの命を擲つことを宣言してるわけで、木内アンジョはこの「死のう」の前に胸を叩く動作が印象的。
1幕のカフェを思い出すと、この胸を叩く動作に通じるものが他の学生たちの間でも浸透していることによって(符牒のようだ…)、「死のう」がみんなの意志の代表のように見える。
あの「胸を叩く」という動作を色んな学生が行う→「死のう」の直前にアンジョが胸を叩く、で、あの恐慌の砦でアンジョの意図が周知され、カフェで育てたみんなの理想に、学生たちが立ち返る。
「死のう」のあとに笑わなくなったのも、元が覚悟を決めてたアンジョだからだと思う。
すごく良い砦だった。
マリウスが落ちて、丹宗グランテールに引き起こされて。そこでだけ少し笑ってた。あれはやっぱり「ありがとう」なんだろうなあ。
カフェソングの「ああ友よ聞くな散りはてた意味を」で振り返るのは継続。やっぱり晴れ晴れとしていてマリウスに向かって、後悔してないよ、って意味なんだと思う。
アンジョバイトの話。
木内労働者、運んできたあとよほど重かったのか、重かった…って話したあとで後ろに行ってたらファンテの騒ぎに乗り遅れて、小林さやかちゃんの労働者に何何?みたいに聞いてた。
木内給仕、登場そうそう左肩に葡萄をかけ増原客に見せびらかす→葡萄を落とす→落とした葡萄を大津客に見せる→森マダム「蟹がすきって言ったのよ」→蟹を2杯、手掴みで足を掴んで持っていく→断られる→蟹の甲羅を打ち合わす→突然虚空を見つめて長尾給仕さんに顔の前で拍手される→ダイナミック踊り。給仕さん、不思議ちゃんかやる気ないか反抗期になる傾向ありそうだけど、木内給仕さんはシンプルに元気いっぱい暴れん坊

覚書

・波止場のエポコゼ娼婦バイト、敷村ちゃんの膝に頭こつんともたせかけて、敷村ちゃんのスカートを手持ちぶさたにつんつんするふうかちゃん、の図が野良猫の姉妹みたいで良かった…

・町田香水屋さんと門田鳩ちゃんがよろしくやってるときに持木肉屋さんが体を屈めて覗き込むの、久しぶりに見たけど何回見ても「よしなさいwww」って草生やしてしまう

・鈴木コンブ、映画のキリアン・ドネリーのコンブフェールを彷彿とさせません?

Les Misérables 2021/7/17S

画像1

このチームさ、胃が痛そうな人多くない?(ぷくバル木内アンジョもちフェ)

この回の感想はほぼ砦なんだけど、この日、今年からの新キャストもみんな役に生きてる!って思って良かった…。
彼らが普段どんな感じで会話してるのかとか、どんな生活してるのかとか、あの板の上以外の生活の気配がすっごいして、その中にいるから学生のおたくは学生の一人になった気分なんだよねって改めて思った。
学生の一人としてあの中で生活してるから、砦で一緒に死んでる…

福井バルジャン

この日、今年初めてファンテ看取ったときの福井バルジャンの表情見えた…。ごくごく一部の席でしかちゃんと見れないんだけど、ここの福井バルジャンの表情が好き。
この日は、二宮ファンテの体から力が抜けたのを感じたあとで悔恨めいた、苦く噛み締める顔をして、ふっと目を開けて視線が上にすいっと流れていって、ファンテの魂が召されるのを見たかのようで、すごくよかった。

二宮ファンテ

ずっと混乱してて、どうしてこんなことになってしまったのかわからないまま、波止場に行き着くファンテ。
二宮ファンテは庇護が必要なファンテだと思うのと同時に、ファンテが孤児であることを思い出すファンテだと思う。
これは原作の話になってくるけど、都市で親兄弟の庇護がなく一人で生計を立てなければならない女工たちは、同じく都市で独り暮らしをする裕福な学生たちの遊び相手になった。
ファンテの相手であるトロミエスもまたそういう学生で、トロミエスはファンテを捨てたあとで社会的に成功してることも原作に書かれてる。
ファンテには、そんな男はいけないと言ってくれる人がいなかった。彼女は孤児だったから。
二宮ファンテは貧しくて、庇護が必要で、だからトロミエスと付き合い、捨てられて、身籠っていて…というのが想像できるファンテだと思う。

竹内マリウス

ABCカフェ、「君も今夜居合わせたなら僕のこの思いわかるだろう」あたりだったかな?竹内マリウスが上手奥の階段に行く前に、木内アンジョの胸を叩いていてふふってなった。(木内アンジョは砦落ちるときに自分の胸を叩くの印象的だから…)
この日はすごくABCカフェも砦でもみんな役に生きてたから、カフェソングはすごくつらいだろうな、と思った。マリウスは逝き遅れたんだなと。
この回でも、バルジャンの告白のときにバルジャンが座れるように椅子の端に座って福井バルジャンを待ってて、福井バルジャンが椅子の後ろに回ったとき(座らないのか…)ってしょんとしてて可愛かった。
彼は5月からこの7月まで色々試してたし、バルジャンによってもいろいろ変えてるけど、一貫して「ハンカチ吸うわ」という確信がある。

木内アンジョ

一幕、木内アンジョがすっごいアンジョだなぁ〜って思って脳内麻薬が出すぎてあんま覚えてない…
ABCカフェで、岩橋フイイが「みんなが平等だ」だったか言ってて、アンジョが頷いててすっごく良くて。
フイイは、あの当時で言えば恵まれた学生たちの中にあって労働者という特異な立場で、そのフイイが「みんなと同じ」であるという自己認識を持っていて、それを当たり前に口にできて、首領がそれに頷くのが、普段のABC友の会がどんな雰囲気なのかわかる。
Red and Black最後あたり、木内アンジョが近くにいた大津クラクスー学生や横田プルべを見ながら、自分の胸をトン、と叩いててよかった。
二幕の砦。
DwMで、フイイ、プルベと歌い継いでるときに鈴木コンブが砦を昇って、笑いながらアンジョと話して、上手の上に戻ったときに持木クルフェとも話してて。そこでちょうど丹宗グランテールが歌い出して、クルフェとコンブが後ろ見て笑ってたし、「過ぎた日に乾杯」あたりでは砦の下でも「かんぱーい!」って学生たちが盛り上がってた。
丹宗グランテールの「死も恐れぬか」でみんなの空気が変わって田川モンパ学生が「人の気持ち考えろよ」ってグランテールに掴みかかって、砦の上のほうでは鈴木コンブが降りようとしたとき、木内アンジョが降りてきてた。
「死など無駄じゃないのか、偽りじゃないか」
丹宗グランテールの言いたいことはたぶん完全には木内アンジョには伝わりきってなくて、でも木内アンジョは理解したい気持ちがあるから、なんとなく心配めいた表情をしてる気がした。(オフマイク「無駄じゃないんだ」ってアンジョは言ってたらしい)
グランテールを追ってガブローシュが上手に行き、木内アンジョは砦の下手の上に向かう。アンジョと入れ替わるようにバルジャンが下に降りていく中でマリウスの「死んでもいいさ…」
木内アンジョは、たぶん上手の丹宗グランテールを見てたし、丹宗グランテールも木内アンジョを見上げてた。
やがて二人の視線が切れて、木内アンジョは砦の中、上手の下、下手の下、と見下ろして、途中で持木クルフェと頷き合ってから砦の外に向き直っていた。
最後の戦い。
木内アンジョは重松ガブの遺体を丹宗グランテールに渡して、しゃがんだまま俯いている顔に悔いのようなものが浮かんだ。
そして鳴り響くアーミーオフィサーの声、アンジョは立ち上がって砦を握りしめながら砦の外を見る。この時点ではまだ重心が安定していない。でも恐慌の砦でひとり、顔を伏せたまま目を閉じて、掌で自分の左胸を叩く。目を開けたときには重心が安定していて、そこで「死のう!」
まるで目を閉じたときに(俺たちは負けるのか?俺たちは間違っていたのか?俺たちの理想は間違っているのか?…いや!)と自問自答したかのようだった。自問自答してから、(俺たちは間違ってなどない!)と自分を奮起させるように、自分の胸を叩く。
「勝ち目はないのだ、止めろ死ぬ気か」
アーミーオフィサーにそう言われても、自分たちの理想の正しさに確信を持っているからこそ、投降することはできない。
私は、木内アンジョはみんなの投票によってリーダーになった首領だと思ってて、その彼がみんなで育てた理想の正しさを確信し、この戦いは正しいのだ、と肯定する。流された血の意味も、これから流れる血の意味も肯定され、救済される。
最期にグランテールに引き起こされたとき、木内アンジョは笑って「ありがとう」って言ってて、このグランテールの気持ちの伝わってなさというかDwMでグランテールが言ってたことが本当の意味ではわかってないであろう、無邪気で残酷な輝かしさが、あーーーーアンジョルラスだぁ………って思ってすっごく良かった、最高だった。
アンジョルラスも何期かやるとグランテールの言うことに納得しはじめてしまうから、この無邪気で残酷な輝かしさはアンジョルラス一期目にしかない。美しくて最高だった。
あと、木内アンジョは死体になっても拳を握ってるので(拳を掲げて撃たれて墜ちるからなんだけど)、大切なものをずっと握ってる人だなあと思って泣いた。
そんなこんなで今年初めて砦で一緒に戦って死んでたんですけど、なんとかカフェソングには意志の力で蘇生したら「ああ友よ聞くな、散り果てた意味を」のところで、上手のほうに歩きかけていた木内アンジョが立ち止まって微かに竹内マリウスを振り替えって、ふっと笑って、俺は後悔してないよ、ってことだと私は思って、そこでまた泣いた。
カフェソング、竹内マリウスは木内アンジョを見てるし、木内アンジョも(マリウスの幻覚ではなく)本人として存在しているよね。
木内アンジョは一緒に進むアンジョで、背負いたい気持ちがある人で。そういう意味では上山アンジョにも似てるし、砦が落ちるにあたって自分の理想の正しさを改めて確信するところはリオンジョにも似てる…と2015年の砦が好きだった者としては思った。

持木クルフェ

一幕パリで、下手の二階の人にビラを渡そうとして振られてた。
二幕。
持木さん、たぶんキャストの中でも大人だからなのもあると思うけど、砦でみんなを導いてきたことを背負うんだけど、木内アンジョは一緒に背負ってくれる人だよね。
木内アンジョの「死のう」のとき、持木クルフェはこの結果を、ここに皆を導いてきたことを悔やまないかといえば悔やむけど、たぶんあのときアンジョが理想に確信を持ってたから救われるんだな…と思って泣いた

覚書

・深堀酔っ払いが両手にボトル掲げてふらふら歩いてくの可愛くて好きなんだけど、時々あきらかフランスじゃない踊りしてるよね
・恵みの雨のあと、竹内マリウスをめちゃくちゃ慰めてる深堀レーグル好き。後頭部ぽんぽんして頭ぽんぽんしてなんか話してた

・丹宗盲人さんが入ってきたときの肉屋さんが胸の前で両手クロスさせてかわいいポーズしてた

・農場で大津農夫がバルジャンから渡されたイエローチケットを周りに見せながら「イエローチケットだよイエローチケット」って言ってた

・農場、バルジャンに対して斎藤農夫を盾にしてちっちゃくなってる木内農夫が可愛かった


Les Misérables 2021/7/14M

画像1

革命記念日!(1789/7/14、バスティーユ陥落)

福井バルジャン

プリュメ街の反抗期敷村コゼ、そのコゼにどう接していいかわからずオロオロする福井バルジャンなんか面白かったし、反抗期だけど良い子に育ってるから
敷村コゼ「いつも満たされてた、あなたに愛されて」
福井バルジャン(こっくり頷く)
頷くのとても微笑ましかった。かわいい。毎回やってほしい。
福井バルジャン上原ジャベールだと和解は成立するけどジャベールは死ぬなーと思ってたけど、二人とも人の話を聞かないよね。
福井バルジャンは波止場の「私がした」のあたりびっくりしすぎて固まってるんだよね(そうですあなたのせいですって毎回観ながら思ってる)。原作の下水道後の「バルジャンを馬車で送り届けて姿を消すジャベール、いなくなった馬車を見て茫然とするバルジャン」を一番やりそうな組み合わせが福井上原だと思った。
福井バルジャン、ジャベールが待ってるはずの馬車が消えたときも「???」って顔して固まりそうだもん。
取引の「ありがとう、この子をすぐに忘れるだろう」のとき宿屋見回してて、あ、そこで宿屋が酷い環境なの目に入りましたか…!ってなったんだけど、悪気はないけど周りがあんまり見えてない人なんだよね。今年の福井バルジャンはジャベールに言った「頼む三日の猶予を」も綺麗に忘れてるタイプ。

鎌田司教

鎌田司教、福井バルジャンに燭台渡して去るとき、福井バルの「ああ」って声で立ち止まって微かに後ろ見るけど完全には振り返らなくて、そのまま下手に歩いていくときの足取りが重くて、この司教は自分のしたことが「人を殺しかねない」ことと理解してると思った(独白のジャンバルジャンは死んで生まれ変わるのだ、に繋がるわけだから)
バルジャンがジャベールを逃がすのは、自分が司教に為されたこと(赦し)をジャベールにしようとした結果、だと思ってるんだけど、あの鎌田司教の振る舞いは、「バルジャンに逃がされたことよって自殺する」ジャベールの風景がないとたぶん出てこない。
ほんとーーーにカマンベール見たかった…ジャベールから司教ってカマンベール観てる人からしたら滅茶苦茶エモい転生だよねえ…

リオジャベ

リオジャベのわからんぞ、頭の上に巨大ハテナマークが出るし、たぶんそれもあって福井バルジャンが「あのね、ちがうんだよ」って教え諭すモードに突入する気がしてる。
「また対決だ」でリオジャベ福井バルを下手の柱のほうまで追いつめて、「さあ!(殺せ)」と挑発してたけど、「違う、それはちがう」と返されてリオジャベの目が揺れていた。たぶんド鋭角じゃないと見えない顔。
福井バルジャンが強く言っていたらそこまで揺れなかったかもしれない。でもここの福井バルジャンはリオジャベを憐れんでる。だから本気でわからない。
前にリオジャベには「人間見本」とでもいうべきものがあって、こういう人間はこういう行動をする、というようにラベリングしてると書いたけど、その「人間見本」に収まらないバルジャンの存在で「人間見本」が壊れたかといえばそうじゃなくて、壊れないから自殺する。
「俺はこういう人間だ」というところに固執するから自殺に向かう。死ぬことによってしか「人間見本」に彩られた碁盤の目のような世界を保てない。19年は法律と倫理の間の陥穽に嵌りこんで自殺したけど、21年は自己愛で自殺に向かうんだと思った。
こういう服装の人間は悪いことをするに違いない、というラベリングによる思考の省略化。
この人にも事情があるのかもしれない、と想像することは思考のコストがかかるし、情状酌量の余地を考えれば考えるほど断罪は難しくなる。
「人間見本」を持つことでそのような思考の省略化が可能であったがゆえに、真っすぐで硬質で強固な自分の世界を作ることができた。その世界を守るために自殺している。
今年のリオジャベは哀れだと思った。「哀れな人々(レ・ミゼラブル)」の中の一人。

和音ファンテ

たっちんファンテもめぐファンテと同じく「賢いファンテ」という印象があるが、きちんと女性が教育受けられる環境だったら、めぐファンテは一橋大に行くタイプで、たっちんファンテはお茶大に行くタイプ。(どちらも東大京早慶MARCHではない。たっちんファンテの同志社はある)

ふうかエポ

「私も読めるわ」のふうかエポの(読めない…)顔はとてもかわいい

竹内マリウス

木内アンジョ「今世界の色は変わる、日ごとぬりかえされている」あたり、ずっと竹内マリウスの傍らに立って首根っこ抑えてるんだけど、抑えられてる竹内マリは「だって恋しちゃったんだもん(ぷすー)」って顔してて可愛かった。まったく話を聞いていない。
初年度だけあっていろいろ試してる?と思ってたけど、なんとなくこの回はかわいい方向で調整してたのかも?
「あふれゆくこの思い」のときジャケット握りしめてて可愛いなーと思ったし、バルジャンの告白のところ、前観たときから竹内マリウスは椅子のはしっこに座るな…ておもってたけど、今日は端っこに座った上でニコニコ福井バルジャンが座るの待ってて、バルジャンが椅子の後ろにいったら(あ、座らないのか…)ってしょんとしてて可愛かった。
「誓いますコゼットのため」のところもバルジャンを突き放す感じじゃなかった。
そういえば砦の「任せろ俺がゆく」のところでバルジャンがマリウスおさえるところ、この日の福井バルは竹内マリのベストの肩から首あたり掴んで持ち上げてて、また首根っこ抑えられてる!って面白くなったの思い出した。

敷村コゼット

福井バルジャン敷村コゼ、やっぱりすごく相性いいと思う。
敷村コゼはマリウスを支えることで成長するコゼットだけど、プリュメ街では16歳!絶賛反抗期!で、カフェソングのあと24歳くらいに大人になる。でもエピローグでバルジャンにすがりつくのは子供のように見えて。「最期の告白を書いた」で首を振るのが駄々をこねる子供のようで、とてもよかった。泣いた。

木内アンジョ

一幕ABCカフェ、ほかの学生に向かって、アンジョが自分の胸を拳でトンしてからその拳を見せてたと思う。これが砦が落ちるときの「死のう」の前の胸ドンに繋がるようでなんか良かった。
二幕、木内アンジョはガブローシュが戻ってきた瞬間に立ち上がってガブローシュを迎え入れようとしたところをガブローシュが撃たれるので、やっぱりガブローシュの血を浴びてるんじゃないかなあ。
ガブローシュの遺体をグランテールに渡したあと、アーミーオフィサーの「砦の者よよく聞け、市民は援護に来ないぞ」あたりで立ち上がって砦の外を見て、「孤立だ、味方はいない、やめろ死ぬ気か」で自分の胸をドン、ドン、ドンと叩いて魂を戻して「死のう」だった。
「相打ちだぞ」「あとに続けよ」あたりで笑った?すでに笑ってた?
赤旗掴んで「世界に自由を」のときはとっても笑ってた。
マリウス撃たれて駆け寄って、丹宗グランテールに引き起こされたときにまた笑って抱きしめて「ありがとう」
カフェソングのとき竹内マリすごいアンジョのこと見てるな…滅茶苦茶実体で見えてる…と思ってたんだけど、木内アンジョも結構長い時間舞台上に残ってて、あれはマリウスの幻覚じゃなくてアンジョ本人だなと思った。感情までは読み取れなかったけど。

丹宗グランテール

バルジャンが砦に来たとき、捕まってるジャベールと向かい合うあたりでその間にマリウスを心配してるグランテールがいて。
福井バルジャンとリオジャベに挟まれて怪訝な顔してる丹宗グランはバルとジャベの因縁察してそうだなーって思った。それもあって(スパイを殺したはずの)銃声のあと、とてもつらい顔するんだと思う。革命のためだったら肯定はできないけど哀れむことはできる、でもこのスパイ殺しは違うから。
丹宗グランテールDwM「死など無駄じゃないのか」、やけっぱちや揶揄ではなくて真摯な優しさしかなくて、掴みかかる田川モンパ学生もつらそうで。
木内アンジョはたぶん「大丈夫か」って言ってた。

覚書

・イエローチケットをバルジャンからもらった大津農夫が斎藤農夫に「これ見てくれよこんなやつがきた」ってオフマイク言って見せてた

・パリのとき持木クルフェが二階の女性と新井ラットキャッチャーとなんか話してるのわかったけど何話してるかは聞こえなかった…

・スパイは君にあげるのあと、クルフェ(レーグルがとめる)、バオレル(フイイがとめる)、バベ学生(コンブがなだめる)が怒ってる

・DwM歌い出し、鈴木コンブは砦の中に完全に体を向けて笑って見下ろしていて、持木クルフェは中を気にするけど砦の外を見てて、コンブクルフェで分業されてる…て思った みんなの様子を見るコンブと戦いの中心でもあるクルフェ

・小松ガブはDwMのとき川島グランテールのことは「やめろって」って背中叩いて止めるけど、丹宗グランテールのことはなんか言いたそうに見てるだけで止めない

Les Misérables 2021/7/11M

画像1

シュガバル

シュガバルは「今こそ自由だ」あたりの明るさや、「こいつを盗んで逃げた」のあとで捕まっているときの怯えて体を丸めてすごく小さくなるところとかを見ても、仮出獄の彼に優しい世界であったならば罪を重ねることはしなかっただろう、と思う。
つまり、犯罪者の更生を妨げる社会への疑問を浮かび上がらせるバルジャンだと思ってて、彼は自分が治める街では公正で平等な理想の社会を実現しようとしてるし、だからこそその街でファンテが零落したのを自分の罪だと思ってるんだと思う。
社会悪を憎む気持ちもあって、だから児童虐待者であるテナルディエ夫妻を軽蔑している。
「この社会」への疑問が強くあって、自分の手の届く範囲で変えていこうとしているバルジャン。
だから革命を起こす若者たちに共鳴する気持ちがあるんだと思う。
シュガバルのBHHはやっぱり祈りの歌で、それってやっぱり若者たちの志にも共鳴した上で彼らのような若者が死ぬべきではないのではないかと思ってるからで、それがまた泣く。
シュガバルが学生たちとゆっくり話し合う時間、あってほしかった…
シュガーさん自身がバルジャンズの中では若くて、学生たちとそう年齢が変わらなくて、気持ちが優しい。そういう「今の彼」にしかできないバルジャンになっていると思う。

川口ジャベール

シュガバルにイエローチケット渡すとき、バルジャンの目の前でゆらゆらしてほらこれが欲しいんだろ?ってやったあとで、さらにイエローチケット握りつぶしていて、嗜虐心強〜ってなった。
あれほかのバルジャンにもやってるっけ?

めぐファンテ

めぐさん冒頭司教とバルジャンのやりとり見てる?よね?
「さあ入りなさい」や「さて我が兄弟」あたりのバルジャンの挙動を波止場で市長に見つかったあたりでトレースするように動いてる。怯えて体を丸めて、視線から逃れる感じ。
このあたり、さすが濱田めぐみというか…司教の「さあ入りなさい」「さてわが兄弟」の変奏がバルジャンの「どこかで会った」「なぜこんな目に」になってるし、「救い」の場面としてもかなり似てくる。
私はここまで意識的にバルジャンの挙動に寄せるファンテ見たことなくて…さすがすぎる…

生田エポ

「なんでも知ってるわ」あたり?エポが本でマリウスの顎撫でててかわいかった。
波止場コゼット娼婦とエポ娼婦のやりとり見てるの好きなんだけど、「お前さんだってさあたいらと同じよ」あたりでファンテが追い込められてくとき、いろは娼婦が階段脇の台に横座りしてる足に生田娼婦が両腕乗せて、その上に顎乗せてて、二人とも美形だからおお絵になる…ドガが描いていそう…となった(ドガの有名なバレリーナの絵は踊り子とパトロン、ないしパトロンする子を物色する紳士、なので波止場の男女に近いものがあります)

内藤マリウス

内藤マリ、シュガバルが「私は父じゃない」のあとコゼット抱きしめながらマリウス見て微笑んだときにニコッと笑いながら頷いて泣いたし、民衆リプライズが聞こえてて泣いたし、民衆の歌に加わったあとで一階席端から端まで、二階席端から端まで見渡してて泣いた。
このタイミングで舞台から客席に越境してくるんだけど、内藤マリが越境するときってちょうど民衆リプライズにみんなの声が重なったときで、つまり舞台の奥から死んだ者たち、生きる者たち、そして現代に向かって思いが流れてくるとき。
生かされているということ、思いが繋がって、連鎖して、先へ繋がっていくということ。その意識が強いマリウスだし、それを客席の私たちに渡そうという意識がものすごく強くて好き。今期も出演してくれてありがとう。

谷口マダム

バルジャンが宿屋に来た時、バルジャンに香水ふきかけてて今期ひさびさに見た~ってテンション上がった

小野田アンジョ

小野田アンジョは「自由のために」で自分の足元を右手で指差していて、自分の足元から変えていこうとしてる…と思った。
(ここ相葉アンジョは銃を見てて、自由のために武力が必要で、血が流れる覚悟があるアンジョとして統一感あるなと思ってる)
二幕、グランテールの「痛い目に遭わせてやろう」にうん、って頷いてた。
恵みの雨のあとで川島グランテールが小野田アンジョを見てて、たぶんあれってアンジョがここでどう出るかを見てて。川島グランテールは小野田アンジョが「彼女が最初、最初の死者だこのバリケードの」って言ったときつらそうに俯く。エポの死をバリケードの士気高揚のために利用するアンジョを悲しんでるんじゃないかな。
エポの遺体が運ばれていったあとで川島グランテールがアンジョを見る、その視線を小野田アンジョはやっぱり受け止めきれないというか、敢えて直視しないようにしてるものを突きつけられてる、気がする。
小野田アンジョはやっぱり現実的な死をわかってないまま、わかっていると思いこんで決起しているんだと思ってて。そのへんは木内アンジョも同じだけど、小野田アンジョの場合、自分の感情そのものを自覚できてないところがある気がする。
DwMで「偽りじゃないか」に揺れてるんだけど揺れてる自分を自覚してない、けどこのままではいけない、という感覚だけはある。
だからグランテールを引き留めるけど、グランテールには振り払われてしまう。
DwMの最後、グランテールが上手に向かい、ガブローシュが追いかける。アンジョは砦の下手の最上段に戻り、マリウスの「死んでもいいさ」のとき、砦の中を見るアンジョ、アンジョを見上げるグランテール、砦の中で座るバルジャンの視線がマリウス一点に集まる。途中、アンジョは砦の中に背を向けて砦の外を見る、そしてBHH前奏へ…というのが基本の動線だと思う。
ただ、この日は小野田アンジョは一度は砦の中に背を向けるものの、再び砦の中を振り返っていた。たぶんマリウスの「(僕が死んだらコセット)泣いてくれるか」あたりじゃなかったかなあ?小野田アンジョが見下ろしたときには、シュガバルは左足元の内藤マリウスを見つめ、川島グランテールは上手で井伊ガブと座っていて、ほとんどBHHの前奏に入る体勢。
BHHはバルジャン≒グランテール、マリウス≒ガブローシュというように構図が重なる。つまり「彼を帰して」の「彼」はマリウスでもガブローシュでもある。見方によっては、砦にいるすべての者たちでもある。
あのとき、小野田アンジョには何が見えていたんだろう?自分が死地に導いてきた者たちを眼下に見おろして。
DwM、グランテールがあそこで小野田アンジョに「伝えきる」ためには、アンジョをぶん殴るくらいの覚悟がなきゃいけない気がする、でも、グランテールにはそれができない。
その「ぶん殴る」が最悪の瞬間にきたのがガブローシュの死で、あそこで小野田アンジョは否が応でも「分からされている」。
ここまでは解釈できたけど、ガブローシュの死で蹲ってすっぽり砦の影に隠れてから「死のう」までの解釈ができない。
「学生たちよよく聞け、市民は援護に来ないぞ」ではっと我に返って立ち上がって、砦掴んで砦の外を見て、外に居並ぶ兵隊たちを見ている。我に返って冷静になってから「死のう」だけど、冷静になっているからむしろ「投降しよう」のほうが腑に落ちる感じがする。
だってあそこのアーミーオフィサー「やめろ死ぬ気か」って死なせないように呼びかけてるんだし。

小野田給仕、今日は仕事するじゃん…って眺めてたらはけるちょっと前から七面鳥を赤子みたいにあやしはじめて笑った

覚書

・工場で一番下手に座ってる女性は鳩枠バイトよね?
大泰司さんの労働者はファンテに同情してる、だけど同情していることを周りに悟られたくない…って感じがする。いじめられっ子を庇うといじめられる的な…??

・めぐファンテ石丸病気の娼婦の組み合わせやっとめぐりあえた〜!!!
ファンテを心配する病気の娼婦と、ジャベが来てること察したファンテが「いいから行って、逃げて」って突き放すのが凄く良いの

・テナイン岩崎香水屋さんに食べろって!ってはやしたてる今井肉屋さん、香水屋さんが「うん、いける」ってやったときドンッ引きしてて笑う

・テーブル乗ったグランテールに「降りなさい」って言ってるの古川コンブさん??かわいいんだが????


Les Misérables 2021/7/10S

画像1

キャスボ撮るの下手です。ていうか写真撮るの下手。もうゆるして

福井バルジャン

内省的な福井バルジャンと求道的な鎌田司教、絶対に相性いいでしょって思ってたけど実際すごく良かった。
司教がバルジャンに対して共感というか、昔の自分を見ているかのような視線を感じる。「闇からあなたを」からの鎌田司教が、私にはあなたがわかると言っているかのよう。
私はレミを「疎外されたものが疎外されたものを救う」ことが繰り返されていく物語と解釈してるんだけど、鎌田司教もかつて「疎外された」経験があるんじゃないかと思った。だがらバルジャンを理解できる。
司教から燭台渡されるとき福井バルジャンは泣いてた。疎外されて、孤独で、世界を敵だと神経を尖らせている時に、司教から優しくされて「わかるよ」と言ってもらえて、だから泣くんだと思ったし、ここは私も泣いてた。やっぱり役者の心が動いてるとき観てるほうの心も動くんだなって思った。

リオジャベ

冒頭のジャベ部下でバルジャン抑えるのバマタボアクルフェだけど、りおさん宇部さん持木さんだと指示待ち部下と指示出し上司になるのほんと面白い…19年もそうだったけど、首領と仲間たちだった時代長いもんね…。
リオジャベ、24653の名乗りのあと部下に手を出して「貸せ」と鎖を受け取って怖い顔したまではいんだけど、上手に走ってくときトテテテテ…って可愛い足音聞こえて笑った。可愛い。
19年より「わからんぞ」のわかり度は上がってる気がするけど、3ジャベの中では一番わかってない気がする。
19年に引き続き福井バル、リオジャベには優しいので(基本がジャベールに対してストロング塩のバルジャンなので、あれはかなり優しいほうです)、福井上原はなんかタイミングが合えば和解はできるが、ジャベールは死ぬって感じがしてる

ふうかエポ

「サツも探してた」で竹内マリふうかエポの頭を本でぽんしてるんだけど「なんでも知ってるわ」のところでマリウスの本を持ったふうかエポが同じようにマリウスの頭を本でぽんしてて可愛さメーターが振り切れた。
竹内マリとふうかエポだと幼馴染感あって可愛いし、ふうかエポは私が幸せにします!というモンペわたしが大量発生します。

竹内マリウス

頭もふられがちマリウス…(ふうかエポ、木内アンジョ、恵みの雨のあとで深堀レーグルにも後頭部もふられてる。たぶん深堀さんは内藤マリウスでも後頭部撫でてた)
「ここにいても同じだ」でめちゃくちゃ木内アンジョふっとばしてて、あれはふっとばしてるのか?ふっとんでるのか?三メートルくらい飛んでない?
あと福井バルジャンにはそんな塩じゃないし、告白でベンチの端に座る。

木内アンジョ

ABCカフェで、「今世界の色は変わる、日ごと塗り替えされている」あたり、木内アンジョが竹内マリウスの傍に立って後頭部撫でた?ぽんとした?ときがあって可愛かった。
この日、印象的だったのが二幕ガブローシュの死。
木内アンジョは戦うのであれば犠牲が出るのは覚悟してたけど、「死」を概念としてしか理解してないのだと思ってて、だからこそ恵みの雨のあとに丹宗グランテールに問いかけるように見られて怯む(あそこのグランテールにはアンジョを責める気持ちもあると思う)。
この日、ガブローシュが撃たれたとき、木内アンジョは頭からガブローシュの血を浴びてる気がした。
木内アンジョって基本的にすごーく姿勢がいい人じゃない?その人がガブローシュの遺体を抱えてグランテールに渡したとき、初めて背を丸める。
そしてアーミーオフィサーの最後の警告が鳴り響き、砦の外を見る。
「孤立だ、味方はいない。止めろ、死ぬ気か」
この途中で、木内アンジョは自分に魂を戻すように胸をドン、ドン、ドン、と三回叩いて、叩きながら背中が伸びていく。そうして姿勢が伸びて、顎を上げたとき、髪から顔面からシャツまでぜんぶ真っ赤に見えた。
一幕の民衆のフイイプチソロ、
「流す血潮が潤す祖国を、屍越えて開け明日のフランス」
で、フイイは上から赤旗をアンジョに投げる。あれは赤旗が血潮に例えられているもの。
頭からガブローシュの血をかぶった木内アンジョの視界は何もかも真っ赤で、投降の選択肢が出てくる余地がない。(「止めろ、死ぬ気か」だからアーミーオフィサーは投降を勧めてるんだよね)
「流す血潮が潤す祖国を」の言葉の通り、ガブローシュの血が流れ、自分たちも血を流し、その血潮が祖国を潤す。木内アンジョが最期赤旗掴んで「世界に自由を」なのは、そのフイイプチソロの歌詞を受けての行動なんだと思った。
結婚式のアンジョ給仕さん。司教が鎌田さんのときかなり遊んでるイメージある。
今日の木内アンジョは七面鳥投げ合いっこして、マダムの「蟹が好きだって言ったの」にあわてて蟹(手持ち)(皿どうした)持っていってた(皿は?)
七面鳥投げ合いっこは長尾給仕さんともやってた(長尾給仕さん最初断ってた)
たぶん木内アンジョ丹宗グランテールのときのみ発生する、ABCカフェでアンジョがグランテールの手首掴んであげる動作、DwMでも繰り返されて今日は給仕と給仕長でも手首掴み合ってて遊んでて可愛かったです

丹宗グランテール

丹宗さん、今年もアンジョ育ててるな…みたいなきもちになった回だった。ポジションの取り方がすごいよね。
ABCカフェは基本がアンジョマリウスグランテールのやり取りじゃない?だから、アンジョマリウスの役者や、その回の雰囲気に合わせて微調整してて、三人が綺麗に三角形の線で結ばれるように糸を引いてみたり緩めてみたり、強弱をつけてる。
あと丹宗グランテールはクルフェの横に立ってみたり、アンジョの視界に入りにくるなと思ってた。
グランテール「おいおいおい!(酒瓶でテーブルとんとん)…こいつは驚き、ついに恋をした(持木クルフェに抱きつきながら)」って感じで、持木クルフェがめーーーーちゃくちゃげんなりしてて笑ったし、その後テーブルの上に乗ったグランテールのジャケットの裾掴んでパタパタして降りろってやってるクルフェ面白い。
あと、「オーペェラー」のあとですっごい方向に旗投げてて、上手の柱に当たってたし、上手の学生たち「!!」って顔してて可愛かった。
丹宗グランテールてずっとグランテールのかっこいいほうって感じだけど今年可愛いな…
恵みの雨。グランテールはアンジョに「突きつける」存在だし、DwMでもそうで、アンジョが降りてきて手首掴まれて、はなせよってやりながら上手にいくときもアンジョのこと見てた。

持木クルフェ

木内アンジョ「世界に自由を」で赤旗掴んでバサってやるの固定っぽくて、当然そこクルフェいるので目に入るんだけど、この日の持木クルフェ一瞬わらってる?って思ったけど、あれたぶん表情筋がああなってるだけで、笑いたいのかっていうと違うしなんか色々突き抜けてる顔な気がする。瞬きしないし。
…目の前で首領が頭から血をかぶったらああなるよねえ…